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公開オーディション番組ブームが塾量産

Posted March. 24, 2011 08:13,   

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昨年、社会的に大きな反響を呼んだMnet『スーパースターK』。平凡なサラリーマンや主婦、大学生などが出場し自分の夢を激しく闘わせた同番組は、ホ・ガクやチョン・バクなど平凡な参加者らを一躍スターへと跳躍させ、「コリアンドリーム」を実現できる夢の舞台として脚光を浴びた。当時、視聴者らは出演者の努力や競争を見守りながら、脱落の苦しみや上位進出の喜びを共に味わった。

最近は、各テレビ局で模倣作が製作され塾まで登場している。これらの塾では、各分野の講師から現職プロデューサーまで出演し、人為的に「コリアンドリーム」を作り出すためしのぎを削っている。

●「オーディション対策」「現役プロデューサーの特別講義」

『スーパースターK』の成功は多くの模倣番組を登場させた。10日、参加者受付を開始したところ、1日だけで5万人以上が詰め掛けたという。MBCは同じような形式で『偉大な誕生』を放送しており、SBSはタレント公開オーディション番組『奇跡のオーディション』への参加者受付を17日から開始した。

需要が増えれば供給が増えるのは当たり前のこと。参加者らに対し、歌や演技を教える私教育市場も共に熱を帯びている。最近、スーパースターK3特別準備クラスを作ったソウル江南区大峙洞(カンナムグ・テチドン)のA実用音楽塾は、授業関連の問い合わせの電話だけでも1日に100本を越えている。塾の関係者は、「1日1時間ずつ、3回のボーカルトレーニングを受け、指導教師が選曲までしてくれる」とし、「30秒〜1分間で審査委員らに対し、自分を印象付ける有効な方法を教える」と主張した。

同塾は、SBSが6月に放送する演技者選抜オーディション番組『奇跡のオーディション』の特別準備クラスも開設している。自分のイメージを作る「イメージトレーニング」はもとより、現職PDや監督による特別講義、肌の手入れ方法についての特別講義、模擬オーディションまで行っている。2ヵ月間の授業料が120万ウォンの同カリキュラムには定員を上回る受講生が殺到し、塾のほうではやむを得ずクラスをもう一つ増やした。

オーディションに合格するための「オーディション対策」も登場した。ソウル江南区のB音楽・演技塾は、「実際、放送オーディションに出題されそうなミッションを想定し、的中課外を行っている。短期間で公開オーディションの能力を育成することができる」とPRしている。即座の演技や独白、役割劇などさまざまなミッションを投げかけ、やり遂げながら各自の模範解答を作っておくことで、受講生らは事実上「的中課外」の効果を得ることができるという。授業料は1月=80万ウォンを上回っている。

21日午後、ソウル江南区論峴洞(ノンヒョンドン)のC実用音楽塾で、公開オーディションに備え、マンツーマン課外を受けた李ソルジ(仮名=22、女)氏は、「講師らは、『上手すぎる振りをしても審査委員らに嫌われる。李さんは低音がいいから、歌手『アン(ann)の歌を主力曲にすればよい』と教えてもらった」と話した。李氏は、「芸能事務所の『アイドル試験』にパスしても数年間も合宿生活をしなければならないが、テレビ局主催の公開オーディションは合格さえすれば、直ちに歌手として活動することができ、魅力的だ」とし、「公開オーディションなので選抜も公正だろうという気がして、大勢の歌手志望生らがテレビ局のオーディションを準備している」と話した。

●演出される個性

各私設学院は金さえ出せば、個性まで演出してくれる。個性を演出するために、ピアノやギターなど楽器の授業を追加で選んだ場合、10万〜20万ウォンほどさらに支払うことになる。

大田儒城区(テジョン・ユソング)のD実用音楽学院の相談関係者は相談を受けた東亜(トンア)日報記者に対し、「楽器ひとつぐらい追加したらどう?テレビを見ても、皆、ギターや何かを持って出場しているし、楽器ひとつぐらい演奏できれば、審査委員らの印象に残るだろう」とし、「楽器授業の追加には、15万ウォンをさらに払わなければならない」と話した。これについて、同鄹(トンドク)女子大学・実用音楽の李ジョンソン教授(50)は、「音楽の基礎を磨くのではなく、ただいくつかのケースを作っておき、それにあわせる方式だ」と主張し、「短期間の合格を目指し教える学院の授業は、人為的かつオウム返しを量産するだけだ」と批判している。

公開オーディションのブームは学院のPR手段に変質している。一部の実用音楽学院らは、該当学院出身のオーディション志願者が決勝に進出すれば、「○○○先生の教え子、△△△スーパースターKの決勝進出」というプランカードを作り、ブログなどでPRしている。

高麗(コリョ)大学・社会学部の玄宅洙(ヒョン・テクス)教授は、「公開オーディションの参加者らが素直に情熱を示し、隠された才能を発揮する舞台ではなく、必ず合格しなければならない目的へと変質した」とし、「公開オーディション番組も当初の趣旨がなくなり画一化し、『でっち上げられた個性』が溢れる恐れがある」と話した。



jks@donga.com