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最悪のシナリオは1バレル=220ドル、リビアとアルジェリアが同時生産中止なら

最悪のシナリオは1バレル=220ドル、リビアとアルジェリアが同時生産中止なら

Posted February. 25, 2011 09:16,   

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リビアでの大規模な反政府デモ事態を受け、連日、原油高が続いている中、1970年代、世界を不況の恐怖に陥れた「オイルショック」が、再現されかねないという見方が出ている。石油専門家らは、最近、相次いで、最悪の流血事態へと突っ走っているリビア事態の火の手が、中東主要産油国へと拡大されれば、国際原油価格は現在より、2倍以上も高騰しかねないという見方を出している。

しかし、一部からは、世界全体石油埋蔵量の80%ほどを占めている石油輸出国機構(OPEC)、特に、最大産油国であるサウジアラビアが石油生産を増やす意思を明らかにしただけに、今回の事態がオイルショックへと拡大されることはないだろうと言う楽観論も出ている。

●最悪のシナリオ〓原油価格は1バレル=150〜220ドル

最近の原油価格の高騰事態がオイルショックへと繋がりかねないと見ている専門家らは、今回の事態がかつての「第1次や第2次オイルショック」と似ていると指摘している。最近、リビアを含め、北アフリカや中東の状況が、「政情不安→原油生産への支障→国際原油価格の上昇」へとつながる、かつてのオイルショックの展開過程と大変似ているという。

世界石油生産の12%を担っているサウジアラビアやイラン(5.3%)までが、政治不安の嵐に見舞われると、オイルショックは避けられない。専門家らはこの場合、現在1バレル=100ドルレベルの国際原油価格は、1バレル=200ドルを超えるだろうと見込んでいる。実際、日本の野村證券は同日報告書を発表し、最悪の場合、原油価格は今年、1バレル=220ドルまで高騰するだろうと見込んでおり、ゴールドマンサックスは1バレル=150ドルを越えるだろうと見込んだ。

第3次オイルショックが現実化されれば、世界経済は、物価が上昇し、景気は低迷する「スタグフレーション」は避けがたい。特に、石油輸入の依存度の高い韓国は、物価不安が一段と激しくなるのはもとより、通貨危機やグローバル金融危機に劣らぬほどの景気低迷に見舞われる可能性が高い。

●中間シナリオ〓100〜110ドル

「ジャスミン革命」の嵐が、スエズ運河を越えず、北アフリカで一段落することもありうる。その場合も、国際原油価格は、リビアやアルジェリアでの石油生産の支障により、しばらくは上昇の勢いが続くものと見られる。1日=158万バレルを生産するリビアと共に、現在、反政府デモが広がっているアルジェリア(1日=127万バレルを生産)までが、石油生産を中止することになれば、短期間の石油供給に支障が生じるのは必死だ。

しかし、サウジアラビアなどの主要産油国が増産に乗り出せば、今年下半期は、再び下落に転じるものと見られる。専門家らはこの場合、今年の平均原油価格は、1バレル=100〜110ドルレベルの小幅の上昇に止まるだろうと見込んだ。

その場合も、世界経済は、ある程度は浮き沈みを経験するものと見られる。国際原油価格の高騰の勢いが短期間続き、新興諸国に止まっていたグローバルインフレが、米国や欧州など、先進諸国へと広がることになれば、グローバル経済の回復に勢いは減速する可能性が高い。

●最善のシナリオ〓1バレル=90ドル

最も楽観的なシナリオは、リビア事態が、予想より早めに落ち着きを取り戻すケースだ。激しい政治不安の末、政権が交替されたチュニジアやエジプトは、世界石油生産量で占める割合が0.1%と0.9%に過ぎず、石油供給に大きな打撃は与えない。特に、OPECの大黒柱ともいえるサウジアラビアが、今回の事態のカギを握っている。サウジアラビアは1日=1250万バレルの生産能力を備えているが、現在、1日=800万バレルぐらいしか生産していない。必要なら、1日=400万バレルの増産を短期間で実施することができる。

サウジアラビアのアリヌ・アイミ石油長官は23日(現地時間)、外国メディアとのインタビューで、「サウジアラビアを始め、OPECメンバー国は、原油生産量を増やす用意がある」と述べ、原油価格を巡る不安を、取り除くことの先頭に立つ意思のあることを伝えた。LG経済研究院の李グァンウ先任研究員は、「サウジアラビアを始め、主要産油国の追加生産能力は十分だ」と言い、「年平均で見れば、国際原油価格は1バレル=90ドル後半程度になるだろう」と話した。



weappon@donga.com constant25@donga.co