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学校から70メートル距離に豚1100頭の埋葬地、始業控え不安感募る

学校から70メートル距離に豚1100頭の埋葬地、始業控え不安感募る

Posted February. 21, 2011 09:16,   

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18日午後、忠清南道禮山郡吾可面汾川里(チュンチョンナムド・イェサングン・オガミョン・プンチョンリ)内にあるヤンシン小学校。学校の裏側に、膨らんだお墓のようなものが目に付いた。「口蹄疫家畜の埋葬地」だった。縦横10メートルほどの埋葬地周辺には、浸出水と見られる液体が溜まっていた。ビニールに覆われ、はみだされた埋葬地の上に、ガスの排出筒がそびえていた。学校の壁とは約70メートルほどの距離だった。

学校の運動場まで行ってみると、片隅に地下水の管があった。この学校は上水道が普及しておらず、地下水を引いて飲み水などとして使っている。地下水の管と埋葬地との距離はわずか150メートルだった。礼山郡によると、学校裏側のAさんの畜産農家の豚が先月26日、口蹄疫と確認され、1100頭余りを土に埋めた。

ヤンシン小学校の金グァンテ校長は、「7日午前に出勤し、学校を見て周り、びっくりした」と言い、「冬休みや旧正月の連休などで、数日間学校を空けている間、学校の裏側に豚の埋葬地ができたためだ」と明らかにした。

●地下水を使う学校、始業控えて不安感募る

口蹄疫家畜の埋葬地から出た浸出水による環境汚染の懸念が高まっている中、始業を一週間後に控え、地下水を給食水に使う地方学校を中心に、不安が高まっている。

東亜(トンア)日報が20日、各地方自治体が公開した全国の口蹄疫家畜の埋葬地4237ヵ所の「里」単位までの住所や地下水を使っている全国の小中学校727校(10年末基準)の住所について比較分析した結果、計50校の住所が、埋葬地の住所と重なっていた。これらの学校を相手に取材した結果、「始業を控えており、不安だ」という答えた少なくなかった。

18日午後に訪れた京畿道抱川郡官仁面(キョンギ・ポチョングン・クァンインミョン)のチュンリ小学校。同校は平屋の建物だったが、窓の外から口蹄疫家畜の埋葬地が見えた。学校から埋葬地まで歩いてみると、約350メートルと、5分もかからなかった。ここには最近、豚や牛約9000頭が埋められた。

埋葬地周辺をぐるぐる回るカラスの群れが、ひやりとしたムードまでかもし出していた。体育・保健担当の李ミンソン教師は、気がかりな表情で、「あそこから出た浸出水が、子供らの飲み水に入りかねないことを考えれば、心配せざるを得ない」と話した。

同校は、地下水を浄水器で浄水し、児童生徒らの飲み水として使っている。同校の3年生生徒の保護者であるムン・ジェジョン(42)さんは、「自宅で飲む谷水を、子供に持たせた登校させるつもりだ」と話した。

●「よく分からない」、ほとんどの学校は危険性に気付かず

慶尚北道安東北後面場基里(キョンサンブクド・アンドン・ブクフミョン・チャンギリ)の北後小学校も、900メートルほど離れた山の稜線に、300あまりの家畜の埋葬地がある。学校の運動場には地下水をくみ上げるための管が設置されている。

学校側は、子供らのことが気になり、北後面の首長などと共に1週間前、埋葬地の現場を訪問した。ナム・ミョンジャ校長は、「地下水が汚染されないよう、格別に気を使ってほしいと、何度も首長に対しお願いした」と話した。慶尚北道安東北後面オサンリにある安東ヨンミョン学校も、取材陣に対し、「子供らのことが気になる」と不安感を隠さなかった。

周辺の約100メートルのところに埋葬地があると、学校側は明らかにした。学校の関係者は、「地下水を使っている。子供らは免疫力が弱く、学校のほうでも神経を尖らせている」と話した。

浸出水による地下水の汚染は、漢江(ハンガン)水系などの上水源の汚染より、さらに深刻だと、専門家らは口をそろえている。浄水の過程を経る水道水とは違って、地下水は埋葬地の浸出水によって汚染されても、浄水過程無しにそのまま飲まれかねないからだ。動物の死体から出た浸出水には、大腸菌や腸ウイルスなどの微生物、硝酸性窒素、アンモニア性窒素などの有害化学物質、敗血症を引き起こす炭疽菌などが含まれている。

●大半は安全だが…水脈繋がっていれば安心できない

埋葬地と住所が重なる50校のほとんどは、埋葬地とは近くない。多くの学校の関係者は、「周辺に埋葬地が見当たらず、地下水の汚染の心配はない」「遠く離れており、我々とは関係のないことだ」と明らかにした。

専門家らによると、正確な基準はないが、埋葬地から300メートルほど離れていれば、地下水は安全だとみなすことができる。しかし、地下水ポンプが埋葬地と遠く離れていても、地中で水脈が繋がっていれば、汚染水をくみ上げる可能性があるので、遠く離れているからと言って、必ずしも安全ではないと、専門家らは指摘した。

●水質検査殺到…始業前までの完了は困難

さらに大きな問題は、自治体ごとに地下水の汚染を検査してほしいという要請が殺到しており、学校の地下水検査がきちんと行われていないということ。毎年四半期ごとに、京畿道(キョンギド)内学校の水質検査を引き受けてきた京畿道保健環境研究院は最近、「第1四半期は、水質検査はできない」という内容の公文を、道内の全ての小中高校宛てに送った。李ジョンボク環境研究院長は、「現在、埋葬地に全ての人材や装備が投入され、学校の水質検査まで実施する余力が無い」と説明した。



zozo@donga.com