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「総じて安定」の韓国物価、食料品だけが高騰する理由は?

「総じて安定」の韓国物価、食料品だけが高騰する理由は?

Posted February. 08, 2011 09:15,   

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なぜ、とりわけ韓国だけで、食料品価格が高騰するのだろうか。今年に入り、新興国では食料品価格の急騰が政治的不安をもたらすほど深刻さを増しているが、先進国の食品価格は安定している。しかし、韓国は例外だ。

昨年第4四半期の農産物や加工食品、飲料類を含めた韓国の食品物価上昇率は12.0%で、経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、トルコ(12.1%)に続き僅差で2位となった。韓国と同じく食品の輸入依存度の高い日本(1.8%)とオランダの食品物価上昇率が1.0%に止まったことと比べると、実に10倍近く上昇した。

専門家は、このように食品物価上昇率が先進国よりはるかに高い理由として、食糧自給率の継続的な低下や後進的な食品輸入・流通構造を挙げている。

●食料品価格の上昇が目立つ韓国

OECDによると、韓国の昨年第4四半期の全体消費者物価上昇率は3.6%で、OECDの34加盟国のうち7位だった。特に、季節によって変動の激しい食料とエネルギー製品の物価を除いた「根源物価上昇率(core inflation)」は1.8%で10位となり、早い景気回復傾向を見せた国の中では最も安定的だった。

しかし、政府が大々的な物価取り締まりに乗り出したのは、庶民生活に、直接的に影響する食料品物価が、他の先進国に比べて特に暴騰したためだ。韓国の食品物価上昇率は昨年9月以後、毎月10%台の上昇率を示し、OECD加盟国の中で1、2位を争っている。国際農産物価格が上昇した昨年9月以後、OECD加盟国の平均食品物価上昇率が2%中盤に止まっているのと比べると、韓国だけが食品物価が急速に高騰している。

特に、最近の国内食品物価の上昇傾向は、ウォン高ドル安が進む中で現れた現象で、物価が急騰した08年とも違う様相だ。08年には世界的な金融危機の影響で、1ドル=13000ウォンまでウォン安ドル高が進み、輸入食品の価格を押し上げたが、最近は1ドル=1100ウォン台で、輸入食品の価格が安くなったにも関わらず、食品物価は日増しに急騰している。輸入食品の価格が大きく上昇した08年にも、ドルを基準に評価した韓国の食品物価上昇率は5.0%で、OECD加盟国平均(6.2%)より低かった。

●日本の事例を参考に

韓国の食品物価が他の先進国より大幅に値を上げている背景としては、下落の一途をたどっている食料自給率が挙げられる。食料自給率は、1年間消費される穀物や畜産物、水産食品の中で、国内で生産される量が占める割合で、1990年70.5%に達した韓国の食料自給率は00年、55.6%へ低下したことに続き、09年には51.4%で、毎年大幅な下落傾向を示している。

食料自給率が下落すると、海外からその分の食料を輸入しなければならない。しかし、最近の異常気候により、農畜水産物の生産国が相次いで輸出制限措置を導入し、食品の輸入価格が急騰している。

後進的な農畜水産物の流通構造も原因として挙げられる。農水産物流通公社によると、国内の農水産物の流通費用は00年、最終消費者価格の40.6%を占めたが、09年には44.1%へかえって上昇した。先進国は2〜3段階の流通過程を経る反面、韓国は農産物を輸入した後、卸売り業者と中間卸売り業者、大型流通業者、小売業者など、多くの流通段階を経るため、消費者価格がさらに上昇することになる。

専門家らは先進国に比べ著しい食品物価上昇傾向に歯止めをかけるためには、日本の事例を参考にすべきだとアドバイスする。食料自給率が40%台で、韓国よりも低い日本の昨年12月の食品物価上昇率は1.0%で、OECD加盟国中27番目に低かった。日本がこのように低い食品物価上昇率を維持しているのは、ブラジルやアルゼンチンなど世界的な穀倉地帯の穀物生産企業と提携し、安定的な農産物輸入網を整えているからだ。また、日本は1970年代から穀物備蓄システムを構築し、穀物価格の暴騰に備えているのはもちろん、各市郡に農産物直取引市場を設置し、農水畜産物の流通コストを削減している。

三星(サムスン)経済研究所のキム・ファニョン研究員は、「他の先進国に比べて韓国が特に食品物価が暴騰しているのは、後進的な農産物供給構造を露にすることだと言える。日本のように安定的な海外食料供給先を確保するなど、中長期的な対策を講じるのが急がれる」と話した。



weappon@donga.com