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李忠成の父親「息子の決勝ゴールで在日の偏見を破った」

李忠成の父親「息子の決勝ゴールで在日の偏見を破った」

Posted February. 02, 2011 09:11,   

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「名前であれ姓であれ、『り』がついていれば無料〜」

神奈川県三浦市にある水族館「京急油壺マリンパーク」が1日から、日本のアジアカップ優勝を記念し、異色イベントを始めた。在日同胞4世で日本優勝の立役者となった李忠成選手の日本名「り・ただなり」にちなみ、「り(李)+ただ(無料)+なり」という点に目をつけた入場料無料サービス。オーストラリアとの決勝戦で痛快なボレーシュートを決め、大スターになった李選手の人気がいかほどかがうかがえる。

1日、西東京市で会った李選手の父親、チョルテ氏(53)は、「30日の試合の後、3日間、数百本の激励の電話を受け、番組にも出演し、5時間しか寝ていない。まるで巨大な津波が押し寄せたようだ」と話した。在日同胞3世のチョルテ氏に、息子の決勝ゴールは、喜び以上の格別の意味があるようだ。

「日本にはまだ在日同胞がなぜ日本にいるのか、歴史を知らない人が多い。知っていると言っても『在日同胞=貧困、暴力』のような否定的な偏見一色です。このような偏見を破ることに少しでも役に立てたようでうれしい」。

チョルテ氏は、日本社会で在日同胞は「道路に咲いたタンポポのような存在だ」と話す。「韓国人でもなく、日本人でもない、曖昧なアイデンティティを持ったため、他人より倍以上の努力で優れた実力を身につけてこそ生き残ることができる」ということだ。息子がサッカーを始めた4才の頃から、「差別に対して不平を言う前に実力をつけること」を絶えず助言してきたのもこのためだ。

チョルテ氏は、インタビューの間、息子の日本国籍取得が気になるようで、何度も「寛大に理解してほしい」と言った。李選手は07年に帰化し、08年に北京五輪で日本代表選手になった。チョルテ氏は、「息子が帰化して日本代表選手になったが、韓国人であることが分かる李氏という姓を、堂々と明らかにしている。サッカー選手としての技量を発揮できる機会を選択しただけだ」と強調した。そして、「ドイツの国家代表選手で有名なクローゼ、ポドルスキ、シュヴァインシュタイガーなども、皆ポーランド出身だ。在日同胞だからと言って、漠然と血や民族を強要する前に、在日同胞の立場で一度考えてほしい」と話した。

インタビューを終える頃、李選手から電話がかかって来た。「ほかのイベントのため(インタビューの場所に)行けなくて申し訳ない。電話で是非、言いたい話がある」と言った。快活で力のある声だった。

「在日同胞のサッカー選手には、様々な道があります。日本名で日本のプロチームで活躍する選手もいれば、韓国名で北朝鮮の代表として活躍する選手もいます。自分の目の前の様々な道の中から一番いい道を選択し、可能性を広げていくことが私たちのすべき事です。私は日本で生まれましたが、父と母の教えを受け、韓国文化の中で育ちました。日本の国家代表選手ですが、私の体の中には、コリアンとしての血が流れていることを忘れたことはありません」。



changkim@donga.com