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[オピニオン]李大浩の年俸調停

Posted January. 22, 2011 10:18,   

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スポーツファンらの関心を集めた李大浩(イ・デホ)選手の年俸調停の結果は、当初の予想通り、所属のプロ野球球団、ロッテの判定勝ちで終わった。その「予想」の根拠は、これまで樹立された年俸調停審判で、選手と球団との勝敗の確率だ。1982年のプロ野球発足後、選手が球団の年俸策定に反発し、調停委員会審判を求めた事例は計19度あったが、選手が要求した年俸金額が受け入れられたのは、わずか一度だけだった。これまで年俸調停は、「選手らの墓」だった。李選手が笑える可能性は最初からそれほど高くなかった。

◆2番目の根拠は、調停委の偏りだ。調停委は、韓国野球委員会(KBO)が選定する5人の委員で構成される。今回の審判には、KBO事務総長やKBO顧問弁護士など、KBO関係者や野球関係者が参加した。米プロ野球(MLB)では、選手労組やMLBが共に同意する調停官3人が決定を下すことになる。MLBとは利害関係のない判事や弁護士、法学者らだ。これに対し、韓国の調停委は、球団に一方的に有利な構図だ。MLBから出た調停結果は、「選手勝利」が42.4%、「球団の勝利」が57.6%と集計されている。

◆昨年、李選手はプロ野球の世界新記録である9試合連続ホームランや打撃で7冠王になるなど、大活躍を見せた。今後もなかなか出にくい記録だ。調停委員らすら、「李選手の成績は、李選手が要求した7億ウォンの価値がある」と認めたほどだ。インターネットでは納得できないという反応が支配的だ。ロッテ球団を批判する声も少なくない。球団が示した金額6億3000万ウォンと7億ウォンとの差額である7000万ウォンを、ファンらが募金を集めて埋め合わせすべきだという提案も出ている。

◆プロ野球選手で構成された韓国の野球代表チームが08年、北京オリンピックで優勝した後、プロ野球の入場客が急増した。昨年は600万人近い人々が野球場を訪れた。野球ブームは、職場内で野球が分からなければ、仲間入りができないほど、社会現象へと発展した。各球団は過度な選手年俸による「慢性的赤字」を心配しているが、プロ野球球団を保有しようとする企業が相次いでいる。野球団を通じたPR効果も馬鹿にならない。プロ野球が、新たな局面を迎えた以上、球団のアプローチの仕方も変わる必要がある。年俸調停制度を含めたプロ野球運営全般において、アップグレードが行われるべきだ。

洪贊植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com