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大統領府狙った北朝鮮武装ゲリラ、米大使館襲撃も計画にあった

大統領府狙った北朝鮮武装ゲリラ、米大使館襲撃も計画にあった

Posted January. 19, 2011 03:17,   

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1968年1月21日、朴正熙(パク・チョンヒ)大統領を殺害するために大統領府を襲撃しようとして発覚した北朝鮮の武装共産軍は、当初、駐韓米国大使館も襲撃する計画だったが、当時米国大使館はまったく察知していなかったという。

また、その2日後に北朝鮮が元山(ウォンサン)の沖合いで、米国の情報収集艦プエブロ号をだ捕した時、米国は、F4ファントム戦闘機で北朝鮮を爆撃しようとしたが、爆撃に必要な通常兵器の装着装置の不備で、実現に至らなかったという。

このような事実は17日、東亜(トンア)日報が単独入手したウッドロー・ウィルソン・センターの68〜69年韓半島関連機密解除資料集「韓半島の危機と対決」で明らかになった。この資料集は、同センターが60年代末、韓国、北朝鮮や中国などに駐在した、当局者7人と専門家15人を招待し、08年9月、非公開シンポジウムを開いた後に作成したものだ。シンポジウムのために、同センターは、旧ソ連や東ドイツ、ルーマニアなどの東欧の韓半島関連機密資料1285ページを分析した。

シンポジウム参加者は、ホルスト・プリエ元駐朝東ドイツ大使、ウォルター・カトラー元駐韓米国大使館政務補佐官、トーマス・フューズ元国務省情報研究局(INR)局長、ジェームズ・レオナード元国務省韓国課長、デービッド・ロイター国家安全保障局(NSA)北東アジア分析官だった。韓国からは、康仁徳(カン・インドク)元統一部長官、尹河珽(ユン・ハジョン)元外交部次官が出席した。

レオナード氏は、「当時、機密とされた複数の文書によると、プエブロ号だ捕が緊急事態として駐韓米空軍に伝えられ、F4ファントムが数分内に北朝鮮に出動する態勢だったが、核兵器装着装置だけ準備されていて、通常兵器の装着装置がなく、出撃できなかった」と指摘した。そして、「プエブロ号事件は、明白な米国の不名誉だ。当時、安全保障の不安が高まっており、大統領府襲撃事件まで発生した状況で、米国防総省が必要に応じて空軍力を動員し、プエブロ号を保護する体制を整えておくべきだった」と強調した。結局、米国は、原子力空母「エンタープライズ」と第7艦隊駆逐艦2隻だけ出動させた。

韓国中央情報部の初代北朝鮮情報局長を務めた康氏は、「金新朝(キム・シンジョ)を含む武装スパイの当初の攻撃目標は、大統領府と駐韓米国大使館、陸軍本部、ソウル刑務所、西氷庫(ソビンゴ)スパイ収容所の5ヵ所だった」と述べた。そして、「しかし、北朝鮮側は、攻撃目標が分散していると判断し、当初35人で構成を予定した武装スパイ団を31人に減らし、大統領府だけを狙った」と述べた。

韓国政府は、金新朝を尋問し、当初の攻撃目標に米国大使館も含まれていたという情報を得たが、すぐに米国に通知しなかったことが明らかになった。当時、ソウルで勤務していたカトラー氏は、「米大使館がターゲットだったという情報はなく、特別なセキュリティ措置も取られていなかった」と強調した。



triplets@donga.com