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「平和デモ?、暴力デモ?」、警察の配置を見れば分かる

「平和デモ?、暴力デモ?」、警察の配置を見れば分かる

Posted November. 22, 2010 05:52,   

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警察がまとめている集会デモ管理対策見直し案の中核は、集会の性格に応じて対応に差をつけていることだ。平和集会に対しては機動隊を配置しないなど、積極的に集会デモを保障する代わり、暴力集会はデモ隊の不法行為より一ランク高い物理力を行使するというのが、警察の腹案だ。デモ隊や国民が、警察力配置の有無や警察服装、動員されたデモ鎮圧装備を見るだけでも、集会の性格や危険性の有無が分かるようにするのが最終目標だ。

●集会は保障、暴力デモには厳しく

警察はまず、合法集会に対しては消極的な保障を越えて、合法集会になるよう、積極的に「調整者」としての役割を果たす方針だ。警察が、集会の届出段階から主催側との交渉を通じ、合法集会として開催するよう説得するなど、「合法促進活動」を行うつもりだという。

それに向け、これまで集会場所が主要道路に当たるか、主催側が暴力集会の前歴があるという理由だけで、一律的に集会を禁止したことから抜け出し、集会やデモに関する法律(集会デモ法)規定を柔軟に適用するなど、主催側に積極的に協力する計画だ。また、一つの場所で同時に集会を申請する「複数届出」がある場合も、集会内容や目的が相互にじゃまにならない限り、認めることにした。集会が開かれば、一概に警察機動隊を出動させる従来の集会管理方式も見直し、暴力集会を除いては機動隊を配置しない代わりに、情報官や交通警察のみを配置し、集会を管理することにした。

警察は、暴力デモの際に動員する物理力の使用基準や装備使用のマニュアルも見直し、「節制された公権力」の姿を示す計画だ。デモ隊の不法行為の度合いに比例し、1ランク高い物理力を使用し、安全かつ有効にデモ隊を制圧する計画だという。例えば、デモ隊が解散に応じない場合は、逮捕術など、身体的な強制力を使用し、集団での道路占拠や小競り合いなどの時は、催涙ガスや水大砲などを使い、デモ隊との距離を確保する方式だ。

警察関係者は、「目的の達成に向け、最小限の物理力だけを使う方針だ」と言い、「物理力使用に先立って、デモ隊や周辺の一般市民に対し、今後、警察が取るべき行動について公知することにより、公権力の正当性を確保する」と説明した。

●モデル実施の前向きな効果

集会やデモに関する管理の見直し案が出たのは、暴力デモの減少や平和デモ文化を巡る共感帯の形成など、最近の社会的な雰囲気が影響を及ぼした。実際、07年は64件だった暴力デモ件数は、08年は89件とピークに達した後、09年の45件に続き、10年6月現在は14件と大幅に減少する傾向を見せている。

警察がこれまで、集会デモを国民の基本権とみなすよりは、管理対象とみなしたことへの自省も、今回の見直し案が出たもうひとつの背景だ。警察はこれまで、現場検挙を中心に過度な物理力を行使し、過剰対応との批判を招いたり、過激な暴力デモに対して消極的に対応し「無気力な公権力」という批判を受けてきた。

ソウル地方警察庁は今年、集会に備えての一律的な警察力配置の大半を減らした。09年のメーデー集会の時は159個中隊が動員されたが、10年のメーデーには15個中隊だけ動員した。また、全国民主労働組合総連盟(民主労総)が今年3月、ソウル汝矣島(ヨイド)の文化広場で開催した初の労働界の大規模な集会には、異例に集会会場周辺に鎮圧警察の代わりに交通警察官だけを配置したこともある。

ソウル警察庁が今年初頭から10月にかけて、集会に動員した警察力は1万1132個中隊の延べ100万1880人と、前年同期(1万6391個中隊、147万5190人)比で32%も減少した。警察力の配置は減ったものの、不法集会件数はむしろ減少した。今年初頭から10月まで、ソウルで行われた不法集会件数は10件と、前年同期比半分以上も減少した。ソウル警察庁の関係者は、「主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議期間中、デモ隊との大きな衝突がなかったことも、デモ隊との話し合いを通じ合法集会へと誘導した結果だ」と説明した。



pjw@donga.com