国税庁が、ＳＫテレコムへの税務調査に着手していることが分かり、財界では、「いよいよ企業へのメス入れが本格化するのでは」という緊張感が漂っている。国税庁やＳＫグループ側は、予定のスケジュールに従い行われる定期的な税務調査だと明らかにしたが、特定企業への「単なる税務調査」と見る空気ではないという見方が大半を占めている。調査の時期や対象、中身の３拍子が尋常なものではなく、大手企業へのメス入れが本格的に始まるのでは、という見方が出ている。
●大手企業メス入れのシグナル？
ＳＫテレコムを巡る税務調査に対し、大手企業各社が神経を尖らせている理由の一つは、「タイミング」だ。今年下半期に入り、相次ぐ大手企業へのメス入れに関する様々なうわさが流れたが、検察は、泰光（テグァン）やＣ＆グループなどの、中堅企業への捜査に集中した。財界ではこれを巡り、「ソウル主要２０ヵ国・地域（Ｇ２０）首脳会議で新設されたビジネスサミットのため、大手企業への捜査をしばらく見合わせた」という見方が多かった。このような見方を裏付けるかのように、Ｇ２０会議が終わるや否や、直ちに大手企業への税務調査が開始され、「いよいよ始まるのでは？」という反応が出ている。
調査対象がＳＫということも、財界では敏感に反応している。ＳＫは、Ｇ２０前に市場で出回っている捜査対象企のリストに含まれていたためだ。また、同リストにあった他の大手企業の系列会社が最近、税務調査を受けた。同様に同リストにあった他の大手企業の系列会社に対しては、検察が、かつての捜査記録に目を通しているという。このため、リストが信憑性を得ているのが現状だ。
ＳＫテレコムへの税調査の内容も、簡単なものではないというのが、財界の見方。表向きはＳＫテレコムへの定期的な税務調査だが、ＳＫグループ内の通信装備会社であるＳＫテレシスの下請け会社まで調べており、さらに、「国税庁の中央捜査部」といわれる調査４局が、（株）ＳＫの関連事業部まで調査を行ったことは、すでに何か手がかりをつかんでの企画調査ではないかという見方だ。
そのため、財界では、ＳＫテレコムへの税務調査が、グループレベルの特別調査へと拡大する可能性に神経を尖らせている。特に、大手企業各社が、慣行的に元役員に任せた協力会社に対し、偽装系列会社という見方でアプローチすれば、大手企業各社に対し今後、一層強化された「公正」査定基準を適用するのでは、と緊張している。
●緊張感の走る財界
捜査対象に取りざたされている一部の企業は、「わが社は何ら問題ない」と主張しながらも、緊張を隠せずにいる。検察の捜査対象だといううわさが出回っている大手企業の役員は、「昨年から検察が企業資料について内偵捜査を行っているといううわさが出回ったが、これといった情況はつかんでいない」と語った。
ある経済団体の関係者は、「最近取りざたされている捜査対象企業が増え続けており、ＳＫが調査を受けているのをみれば、これからは波紋が広がりかねないような気がする」と言い、「企業各社の間では、一連の調査が余りにも無差別的に行われているという不満もある」と伝えた。
中堅企業には検察の捜査が集中する一方、最近、大手企業に対しては、国税庁の税務調査が相次いで行われていることを巡っても、様々な憶測が飛び交っている。最近、三星（サムスン）エバーランドやＬＧユープラス、ＧＳリテールなどが相次いで、定期的税務調査を受けている。
ある財界関係者は、「来年は選挙もなく、この政権の任期もそれほど残っておらず、空気作りのため、国税庁が調査を行っているようだ。検察に続き、国税庁まで動いているのを見れば、企業への脅かしという意味とも受け取れる」と語った。政府が企業各社に求めている雇用創出や投資実績を巡り、大統領府が不満を感じ、企業への全面的な調査が激しくなるだろうと主張する経営者もいる。
一方、全国経済人連合会は１８日、ソウルウォーカーヒルホテルで、崔泰源（チェ・テウォン）ＳＫグループ会長など１２人の会長団が出席し、定例会長団会議を開催した。同日の会議で、最近企業に矛先を向けた司直機関の動きについて議論が行われるかどうかが注目を集めたが、それに関する話は出なかったという。
出席者は、崔会長を始め、李逷鎔（イ・ジュンヨン）大林（テリム）産業、朴ヨンヒョン（バク・ヨンヒョン）斗山（トゥサン）、朴英珠（バク・ヨンジュ）イゴン産業、玄在賢（ヒョン・ジェヒョン）東洋（トンヤン）、許昌秀（ホ・チャンス）ＧＳ、姜鄹壽（カン・ドクス）ＳＴＸ、鄭俊陽（チョン・ジュンヤン）ポスコ、崔用權（チョ・ヨングォン）三煥（サムファン）企業、李雄烈（イ・ウンヨル）コオロン、柳津（リュウ・ジン）豊山（プンサン）会長などだ。
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