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スマートフォンを待つ子どもたち、親に新たなジレンマ

スマートフォンを待つ子どもたち、親に新たなジレンマ

Posted October. 28, 2010 08:14,   

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先週末の23日、自宅でパソコンをいじっているところ、3歳の息子が膝の上に這い上がり、ノートパソコンの画面に指を押し上げるまねをした。外資系会社に勤めている朴某さん(34・女)が、「うちの息子が、自分のギャラクシーSを過度に遊んでいる」ことに気付いたのも、その時だった。もっと早く気付くべきだった。会社から戻れば、息子は真っ先にスマートフォンを要求した。まだハングルすら読めない息子が、ユーチューブのアプリケーション(アプリ)を実行し、「ポロロ」という字が分かるかのように、クリックした。朴さんは、「子供が、スマートフォンで遊ぶ時間を決めようと努力はしているものの、なかなかできない」と話した。

スマートフォンが急速に広がり、帰宅する親より、親のスマートフォンを待ち焦がれる子供らが増えている。「大人のおもちゃ」であるスマートフォンは、子供らにとっては、より一層不思議なおもちゃだ。指で触れれば、機能するタッチスクリーンのおかげで、2、3歳の幼児も使えるほどだ。ねだる子供らにスマートフォンを握らせば、それなりに楽な夕方の時間を過ごすことができ、両親らも嫌がる理由などない。しかし、親のスマートフォンの使用に満足せず、小中高校生らはスマートフォンを買うよう要求し始めている。

父母らはジレンマに陥った。スマートフォンを使わせてもいいのか?買ってあげても大丈夫なのか?

●幼児にとって最高のおもちゃ

会社員の金某さん(42)も、事情は似ている。自宅に戻れば、9歳と7歳の2人の娘は、アップルのアイフォンを真っ先にねだる。金さんは、「娘らはボーリングや野球、自動車レースなどのゲームをやり、ネイバーの『子供向けアプリ』も好きだ」とし、「週末は、2時間以上もやっているようだ」と話した。先日、アップルのアイパッドを購入した会社員のホ・ジウォンさん(34、女)は、「20ヵ月の息子はアイパッドが気に入り、自宅では、私は『自由』を手にした」と笑った。

かつては、パソコンが児童・生徒らの部屋に一台ずつ置かれ、青少年らは夜通しでゲームに夢中になり、アダルトビデオを見始めた。技術が発展し、電子機器は小型化し、さらに個人化した。最近の青少年らにとって最大の敵は、携帯電話を分身でもあるかのように受け止めている。サイズが小さくなったとはいえ、スマートフォンやタブレットパソコンは結局、一つのパソコンだ。パソコンでできる作業はほぼできる。

そのため、中学3年生の娘と小学6年生の息子を抱えている会社員の李某さん(48)は、最初から会社で配られるスマートフォンを断った。子供らが、スマートフォンでゲームでもするのではと、気になったためだ。しかし、子供らは、「お父さんも、早々にスマートフォンに替えてほしい。自分もやってみたいから」と騒ぐ。

●スマートフォンをねだる子供

中学生の金某君(15)は最近、中間テストの成績が上がれば、「プルサム(プレイステーション3)」の購入を両親と約束した。金君の両親は、最初は息子がゲームに夢中になるのではと反対したが、リビングに置き、1日1時間だけという条件で認めた。金君は中間テストでよい点数だったが、また別のことで悩んでいる。プルサムよりアイフォンに気を取られているからだ。

金君は、「アイフォンはプルサムより高価だが、電子辞書や様々な学習向けアプリを使うことができ、勉強に役立つ」と両親を説得した。しかし、すでにアイフォンを使っている彼の父親は反対した。先日、アイフォンのダウンロード順位表の中に、「性体位向けアプリ」など、青少年らには不適切なアプリが多数、含まれていたためだ。さらに、リビングにおき、ゲーム時間の調整ができるプルサムとは異なり、アイフォンはいつでも持ち運ぶことができ、両親の統制がしにくい。結局、金君と両親は満足できる試験成績表を前に、口げんかをせざるを得なかった。

金君の父親とは異なり、多くの両親はスマートフォンがどこまでできる機器なのか、よく分からない。アンドロイド運営体系(OS)のスマートフォンでは、まだゲームをするには、円滑ではないが、簡単なゲームをし、様々な動画を見、性的なアプリのダウンロードには何ら問題ない。アイフォンも同様だ。

まだ、高価な端末の値段や料金のため、10代らの間にまでスマートフォンが一般化されてはいないが、KTは青少年向けスマートフォンの料金を出した。SKテレコムも、発売するかどうか悩んでいるという。

●幼児のスマートフォンの使用、得よりは損のほうが大

専門家らは、幼児らにスマートフォンを使わせるのは、得よりは損のほうが大きいと指摘している。

延世(ヨンセ)大学・小児精神課の申宜眞(シン・イジン)教授は、「(スマートフォンは)3歳以下の幼児には、情緒発達の障害を招きかねず、できるだけ使用を禁じ、その後も幼児期には必ず、両親と一緒に使うようにし、1日30分以上使わないようする必要がある」と主張した。申教授は、「自分の子供には、幼児期にそのような機械類に拘らせない」とし、「思いっきり、周辺の様々な刺激を楽しみ、特に、人とコミュニケーションをさせてこそ、頭脳が年齢に見合うよう、適切に発達する」と付け加えた。

一方、ソウル大学・教育学部の韓崇熙(ハン・スンヒ)教授は、「青少年らは、自分がやりたければ、やりたいようにできている。共働き夫婦が増え、すでに購入したスマートフォンを統制することはできない」とし、「様々なデジタル機器が増えることを食い止めることができなければ、これを有効に活用できる案について、悩むべきだ」と話した。韓教授は、どのようなアプリを選択するのがよいか、両親と子供が話し合うのもよい方法だと示した。



sublime@donga.com kimhs@donga.com