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[社説]韓日海底トンネルの公式化提案、問題あり

[社説]韓日海底トンネルの公式化提案、問題あり

Posted October. 23, 2010 02:59,   

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韓国と日本の学者26人で構成された韓日新時代共同研究プロジェクトが22日に発表した報告書は、韓日関係の未来に向けた意味と明らかな限界を示している。両国は、民主主義や市場経済、人権などの価値を共有する北東アジアの主要国であり、両国の協力を越え、グローバルな問題解決のためにも力を合わせなければならない。両国は、未来志向的な協力のために過去と現在の認識を共有しなければならない特殊な関係でもある。さらに、今年が韓日併合100年という歴史的な意味を考えれば、これまでとは違う画期的な歴史認識が加害国である日本から出されなければならない時だ。

しかし、併合に対する同プロジェクトの認識は、今年5月に両国の知識人の共同声明に比べて大きく及ばない。当時、日本の知識人104人は、韓国の知識人109人とともに、「韓国併合は、大韓帝国の皇帝から民衆までの激しい抗議を軍隊の力で押しつぶして実現された不義不正な行為である」と明示して、併合条約が当初から無効という共同声明を発表し、日本政府にこのような歴史の真実を受け入れるよう求めた。その後、参加する知識人が増え、最近までに日本で約560人、韓国で約590人が参加した。

いっぽう、今回の韓日の学者による報告書は、「日本は、武力で韓国人の反対を押さえ込み、韓国併合を断行した」という言及にとどまった。明白な過去の不法行為を認めず、「過去の重い歴史の事実を直視し、地平線の向こうの明るい未来を開拓しよう」と言うことは、空虚なレトリックに聞こえる。過去の真実を認めず、どのように過去を忘れないと言えるのか。強制併合が、「強迫による不法条約」であることを日本側が認めないのは、まだ心からの国家的反省が不十分だということを意味する。

同プロジェクトが選定した21のアジェンダにも、国民的論議を呼ぶ懸案が含まれている。両国の専門家たちが、海底トンネルの推進を含めたことは、性急であるだけでなく、誤解の素地が大きい。韓日海底トンネルは、日本の軍国主義時代に遡る。日本は1940年、米国の潜水艦などの海上攻撃を受けずに大陸に軍需物資を積み出す「不沈航路」を確保するために、海底トンネル工事を計画した。このような過去を見ず、海底トンネルを美化して、両国首脳への報告書に含めたことは不適切だ。日本側と特定宗教団体の海底トンネル推進ロビーについての風説も広まっている。トンネルが、両国の経済利益のために必要な点があるとしても、国民的論議とコンセンサスの構築が先行しなければならない。

韓日共同研究プロジェクトは、韓日首脳の合意によって発足し、昨年2月から20ヵ月間の議論を経て報告書を作成した。十分な時間があったにもかかわらず、問題の素地が多い提案をしたことは残念だ。両国首脳がこの報告書をもとに「韓日新時代共同宣言」をするなら、大幅な補完と修正、そして国民の合意が必要だ。