２１日、慶尚北道慶州市（キョンサンブクド・キョンジュ）の市内では、馬に乗った青色制服姿の名誉騎馬警察隊が目についた。慶尙北道地域の中で、騎馬警察隊が登場したのは今回が初めて。慶州普門（ボムン）団地内に位置するホテルの入り口には、例外なく、警察らが爆弾探知機で車をチェックした。慶州の代表的な文化遺跡地である雁鴨池（アンナプチ）では、駙紗燈籠（宮中、または高官の外出のとき用いられた青色の薄い紗でつくった提灯）や韓紙（韓国和紙）灯篭を設置する作業が盛んに行われていた。
同日、慶州は金融サミット（Ｇ２０）財務相・中央銀行総裁会議に出席する世界経済の首長を迎える準備に追われていた。警察はいたるところで検問を行ったが、市民の表情は明るかった。
●新羅時代の宴会場、世界舞台に登場
６７４年、新羅（シンラ）の文武（ムンム）王は、宮廷内に池を掘り、草花を植えた。貴重な鳥や動物も飼った。そして君臣や貴賓らを招き、宴会を行った。慶尙北道慶州市仁旺洞（インワンドン）の雁鴨池にまつわる物語だ。
政府は、肌寒い秋の天候にもかかわらず２２日、Ｇ２０財務相会議の晩餐会を、雁鴨池.で行うことを決めた。世界経済の首長に、新羅の千年古都、慶州の文化を見せるためだ。
コクドゥガクシ（韓国の人形劇の一つ）や扇踊り公演、チマチョゴリのファッションショー、リトルエンジェルズ合唱団の公演も行う予定だ。チマチョゴリのファッションショーでは、モデルがＧ２０諸国の国旗をデザインに取り入れたチマチョゴリをまとい、舞台に立つ。晩餐会行事を担当したイオコンベックスのシン・ヨングォンＰＤは、「韓国の伝統文化を現代的な感覚でＰＲし、Ｇ２０諸国の和合を強調することが、晩餐会イベントの狙いだ」と説明した。
伝統文化のＰＲだけでなく、実益を手にするための準備も盛んだった。これまで、財務相らが晩餐会で食事をする時は、大型の円卓のテーブルを使ったが、今回は７〜８人が座ることのできる小型円卓テーブル７つを準備した。出席者が自由に席を換えながら、胸襟を開き、各イッシュを議論できるよう配慮したのだ。
Ｇ２０首脳会議・準備委員会の関係者は、「通貨問題や国際通貨基金（ＩＭＦ）クォータ改革のような堅いテーマは、非公式の接触のほうがより重要だ。慶州で最も趣があり、美しいところで晩餐会を行うだけに、よい成果へと繋がることを期待する」と話した。
政府は今回の会議のために、２５００人余りの警察官を動員した。警察特攻隊２０人余りは、テロのような最悪状況に備え、ホテルや空港を中心に現場を確認した。警察は万が一あるかもしれない「反Ｇ２０」や「反世界化」集会にも備えている。
慶州地域の乗馬クラブの会員２０人余りは、騎馬警察隊へと変身した。彼らは、会場周辺を見廻り、不審な行動をとる人物を通報することが役目だ。国際的な会議だけに、安全を守りながらも、見どころを提供する計画だ。警察のキャラクターである「ポドリ」や「ポスニ」も、市内を回りながら、堅くなりがちな警護ムードから、親しみを引き出した。
慶尙北道地方警察庁の関係者は、「行事が行われるホテルを中心に、治安強化区域を決め、人員を集中的に配置した」と言い、「外国人らの安全のために、２０人あまりの通訳警察も動員した」と話した。
●通貨戦争の調停を開始
尹遝鉉（ユン・ズンヒョン）企画財政部長官は２１日、ＩＭＦのドミニク・ストロスカーン総裁と二者会談を行い、通貨やＩＭＦクォータ改革について話し合った。２２日は、ティモシー・ガイトナー米財務長官、ジム・フラーティ・カナダ財務長官、周小川中国人民銀行総裁、クリスティーヌ・ラガルド・フランス財務長官と相次いで二者会談を行う。
Ｇ２０財務次官や中央銀行副総裁らも２１日午後、慶州のヒルトンホテルに集まり、１泊２日の日程で財務省会議のテーマを事前に協議した。出席者は厳しく対立するよりは、各国の立場を落ち着いて説明したという。
政府は、通貨問題と関連し、二者会談や頻繁な接触を通じ、焦点を十分に説明し、Ｇ２０諸国の自主的調整を誘導する計画だ。自主的調整が失敗する場合に備え、政府案もまとめている。政府案の中には、ＩＭＦクォータ改革や、通貨問題を一括妥結させる案も含まれているという。先進諸国がＩＭＦ持分を新興諸国に一部譲る代わりに、新興諸国らは、先進諸国が取り上げた通貨問題について、前向きな姿勢を取る形で、お互いに「ビックディール」を行う。
Ｇ２０準備委の関係者は、「ビックディールはいくつかの案の一つだ。一部の国はこのようなやり取りのディールを、かえって願うこともある」と話した。
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