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気候やエネルギーなど国際問題の調整は困難、G20シンポでG8に疑問の声

気候やエネルギーなど国際問題の調整は困難、G20シンポでG8に疑問の声

Posted September. 29, 2010 07:50,   

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28日、開幕した金融サミット(G20)ソウル国際シンポジウムで、最大の関心を集めた講演者は、ポール・マーティン元カナダ首相だった。氏は、行事の期間中、主要8ヵ国(G8)体制の限界に触れ、G20の役割はさらに拡大すべきだという主張を絶え間なく、繰り返した。

G8のメンバー国であり、今年のG8議長国を引き受けたカナダで、首相や財務長官を経験した氏が、G20のシステム伝道師となった理由が気になる聴衆は、少なくなかった。氏は同日の記者会見で、その理由を尋ねる記者の質問に対し、「国際社会や世界経済に、膨大な影響力を発揮している新興経済大国が、含まれていない現在のG8体制では、グローバル問題の解決はできないためだ」と答えた。

●「G20制度化」、公論の舞台に上る

今回のシンポジウムは、G20首脳会議を世界最高の意思決定システムの位置づけに向け、G20首脳会議の制度化の必要性を事実上、初めて公論化した舞台と記録されるだろう。シンポジウムに参加した講演者らは、G20の制度化を決定する重要な山場は、11月のソウル首脳会議になるだろうと口をそろえた。それだけに、韓国政府に任せられた課題は大きい。

G20の役割拡大に前向きな評価や期待を反映するかのように、今回のシンポジウムでは、「首脳会議の新たな力関係やG20の制度的革新案」というテーマの下、G20の役割拡大や制度化に向けたセッションが行われた。

スチュワート・パトリック米外交委員会ディレクターは、「G20は、今後、経済問題だけでなく、気候変動やエネルギー安保問題まで扱うことになるだろう」と見込んだ。

ブルッキングス研究所を代表し、今回の行事の企画や進行を取り仕切ったコリン・ブラッドフォード先任研究委員は、G20の制度化の必要性を重点的に研究してきた学者だ。氏は、「『G20のトロイカ』(議長国や前議長国、次期議長国)を中心に運営されるG20事務局は、G20はもとより、非G20諸国の声を反映するのに有効だ」と明らかにした。

ベリー・カレン・ビクトリア大学教授は、「G20で合意された内容が、持続的に履行されているかどうかをモニターリングし、国際機関とも適切に協力するためには、G20の事務局の設置は欠かせない」と主張した。G20首脳会議を世界の主要懸案の処理方向を決定するプレミア・フォーラムとして定着させるためには、引き続き役割を拡大させ、その場限りの組織ではなく、常設組織として運営しなければならないという。

●ソウル首脳会議が正念場

韓国は、G20の制度化が世界経済により望ましいという考えを持っており、それに向け議論を積極的に進めている国の一つだ。特に、韓国は、G20事務局の設置が必要で、議長国を中心に、同事務局が常時運営される必要があると主張している。

司空壹(サ・ゴンイル)G20首脳会議準備委員長は、「韓国は、6月にトロントで開かれた第4回首脳会議直前に、英国と共にG20の制度化に向け、報告書を配布し、制度化と関連した3つの方法論を示したが、その一つが事務局の設置だった」と紹介した。

しかし、G20の制度化が合意に至るまでは、少なからぬ難関が潜んでいるという見方が多い。現在、G20メンバー諸国の多くが、事務局の設置に否定的だ。また、グローバル金融危機から完全に持ち直せば、G20の影響力は、再び減少するだろうという懐疑論も依然、根強い。

司空委員長は、「ソウルG20首脳会議が成功すれば、G20のグローバル調整委員会としての機能は、さらに強化されるだろう」と述べ、「その時から、G20の制度化に向けた議論は、一段と具体的に行われるだろう。それに向け、引き続き努力するつもりだ」と語った。



turtle@donga.com