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[オピニオン]イラク戦闘終了と韓国モデル

[オピニオン]イラク戦闘終了と韓国モデル

Posted September. 02, 2010 07:42,   

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03年5月1日、米サンディエゴ港に帰還中だった航空母艦「エイブラハム・リンカーン」に1機の海軍戦闘機が着陸した。パイロットの格好のブッシュ大統領が戦闘機から降りると、将兵らは熱烈歓迎した。ブッシュ大統領は、空母の甲板で演説し、「イラクでの主要戦闘作戦は終わった」と宣言した。甲板には、「任務完遂(Mission Accomplished)」というプラカードがかけられた。イラク戦争開始43日目のこの演説は、「イラク戦闘終結宣言」と解釈された。

◆米国は03年3月20日、イラクが大量破壊兵器を保有しているとし、「イラクの自由作戦」を開始した。イラクの武装解除と独裁者サダム・フセインの排除が理由だった。20日後、イラクの首都バグダットが陥落し、フセインは米軍の追跡を受けた。しかし、終結宣言は誤った判断だった。独裁者は排除されたが、大量破壊兵器は発見されず、抵抗勢力は敵対を続けた。米国は7年5ヵ月の間、7440億ドルを投入し、約4400人の米軍が死亡した。イラクの民間人犠牲者も10万人に上る。

◆オバマ米大統領は8月31日、イラクでの米軍の戦闘任務終結を宣言した。オバマ大統領の演説には、「勝利」や「敗北」といった表現は含まれなかった。イラク駐留の米軍戦闘兵力は、先月19日を最後に撤退した。しかし、イラク軍や警察の教育・訓練のため、米軍5万人が来年末までイラクに残る。イラクは依然として、不安定だ。3月の総選挙から6ヵ月経ったが、連立政府も構成されていない。テロも続いている。

◆ポール・ウォルフォウィッツ元米国防副長官は、ニューヨークタイムズに掲載した「イラクのモデル、韓国」という寄稿で、第2次世界大戦が終了後、米軍が韓国から撤退し、すぐに朝鮮戦争が起こったことを取り上げ、米軍のイラクからの完全撤退を警戒した。当時のアイゼンハワー大統領は、韓国戦争終結を公約に当選し、世論調査で55%の米国人が戦う価値のない戦争だと考えたが、韓国を見捨てなかったことで、韓国は経済的繁栄と民主化を成し遂げたということだ。イラクは、ベトナムにも韓国にもなり得る。どのモデルになるかは、最終的にイラク国民の意志にかかっている。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員maypole@donga.com