Go to contents

[オピニオン]呉銀善の14座完登問題

Posted August. 28, 2010 09:14,   

한국어

今年4月、女性登山家としては世界で初めてヒマラヤ14座に登った呉銀善(オ・ウンソン、44)さんの記録が国内の登山家らによって否定された。カンチェンジュンガ(8586メートル)を征服したオム・ホンギルさんら登山家7人の結論だ。彼らは「呉さんが頂上で撮ったと言う写真の中の地形をカンチェンジュンガで見つけることができず、登山過程についての説明も信憑性に欠ける」と話した。世界で初めて14座を完登したラインホルト・メスナー(66、イタリア)と「高山登頂認証家」のエリザベス・ハーリー(86、米国)はもちろん、女性最初のタイトルをめぐって争い今年5月14座を完登したエドゥルネ・パサバン(36、スペイン)も認めた記録だ。

◆呉さんを除いても韓国はスペインと共に一番多い14座完登者(3人)を保有する国だ。韓国山岳界の目まぐるしい成長は、「し烈な競争」のおかげだ。オム・ホンギルさんは、後輩のパク・ワンソクさんの厳しい追撃を受けながら、00年、韓国人として初めて14座を完登した。しかし、ローチェとシシャ・パングマ登頂がおかしいという是非が付きまとい、01年2峰を再び上がった。それで、一部ではオムさんの完登は01年に見て、パクさんを韓国人最初の14座完登者と挙げたりもする。

◆ラインホルト・メスナーは1970年、弟と一緒に初めて8000メートル級の高峰に登った。しかし、下山途中、弟が付いて来られなかったら、そのまま放っておいて下山し、「永遠な行方不明者」にしてしまった。彼の弟の遺体は35年ぶりに冷凍状態で発見された。メスナーは「冷血漢」と非難されたが、1978年初めてエベレストを無酸素登頂し、1986年には14座を完登した。その後、14座への挑戦は無酸素で最短期間に登る個人戦になった。装備の助けなしに、人の力だけで自然に立ち向かう非情な勝負になったわけだ。自然との正面勝負のため、隊員らはお互いの連結ロープを外して登ったりもする。

◆韓国山岳界が14座完登に集中する間、欧州の山岳界は酸素が希薄な8000メートル台で直壁や氷壁で頂上へ上がる思潮を作り出した。高山登坂はますます「死を目の前にした」極限闘争に変わりつつある。「嶽友」は人でなく自然に立ち向かって楽しむ人々だ。国内の登山家によって傷つけられた呉さんも、再びカンチェンジュンガへ登る決心をするかも知れない。山が好きで登り始めた人であるからだ。

李政勳(イ・ジョンフン)論説委員 hoon@donga.com