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少ないお金でも仕事があって幸せ、ワーキングシルバーが急増

少ないお金でも仕事があって幸せ、ワーキングシルバーが急増

Posted July. 31, 2010 08:55,   

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●35年間、中学校で音楽教師を務め、教頭になって退職したチェ某さん(62・女)は、現在、ソウル松坡区(ソンパク)のある住商複合マンションで、生後7ヵ月の男の赤ん坊のベビーシッターをしている。1日7時間、週5日間を働いて一月90万ウォンを受け取る。

教師として生涯を送ったチェさんが、最初からこのような仕事をしようと考えたわけではない。しかし、大手建設会社の社員だった夫が、97年の通貨危機の直後にリストラされたうえ、高血圧で倒れ、すぐにお金が必要だった。

02年に退職し、年金の代わりに退職金として3億4000万ウォンを受け取り、夫の治療費に充てた。退職金の一部で、ソウル江南(カンナム)でカラオケ店も始めたが、任せていた人が売上げを横領し、3年で廃業した。その後、区立図書館の行政アルバイトや託児所の保育士などの仕事を探したが、年齢のためいつも断られた。最終的に落ち着いたのがベビーシッター。月90万ウォンの収入では、夫の治療費と大学を卒業して演技を習っている娘(27)の3人家族の生活費には足りないが、チェさんは、「それでも仕事があって幸いだ」と話す。

●ユ・ギヨンさん(66)は、職業軍人、大企業の人事担当として30年間働き、97年の通貨危機で退職した。働き盛りの50代半ばで突然仕事を失って戸惑い、うつ病にかかった。全身が理由もなく殴られたように痛み、薬も服用した。

「仕事」が必要だった。06年6月、約10年間の失業者生活に終止符を打ち、ソウル瑞草区(ソチョク)瑞草洞にある法律事務所に勤めた。1日に配達する書類を受け取り、宅配の仕事をする。報酬は月100万ウォン程度。ユさんは、「規則的な生活をするだけでなく、公共交通を利用してよく歩くので、健康になった」と満足している。

働く60歳以上の高齢者、いわゆる「ワーキングシルバー(Working Silver)」が毎年大幅に増え、300万人に迫っている。先月の高齢者就業者数は297万2000人で、統計庁が関連データを調査した99年6月以来、史上最大だ。雇用率は39.1%。高齢者5人に2人が働いていることになる。65才以上の高齢者10人に1人が働く経済協力開発機構(OECD)の平均と比較して、韓国のワーキングシルバーの数は先進国より3、4倍多い。

老後の準備不足で、警備員、タクシードライバー、宅配員、清掃など、いわゆるブルーカラーの仕事をする高齢者が大半だ。しかし、「アクティブ・エイジング(Active Aging=活力に満ちた老後)」の流れに乗って、経済的な理由に関係なく働く先進国型のワーキングシルバーも増加している。