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[社説]哨戒艦「天安」収容、憶測も追及も役に立たない

[社説]哨戒艦「天安」収容、憶測も追及も役に立たない

Posted April. 01, 2010 02:58,   

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海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」が、白翎島(ペクリョンド)沖で沈没して5日が経過したが、行方不明のままの46人の乗組員の救助活動はまだ成果がない。事故の原因究明にも何の進展もなく、もどかしさが募る。軍の初期の対応が不十分だったという非難が沸き起こり、様々な疑惑も提起されている。事故の原因と関連しては、様々な推測が飛び交う。国会は、真相究明に向けた特別委員会の構成をめぐって与野党が対立している。

もちろん、初期対応に適切でない点もあったが、いま軍は救助活動と原因究明に最善を尽くしている。軍の潜水要員たちは、深海潜水装備もないなか最悪の条件の下、命をかけた救助活動を展開している。愛国心と「殺身成仁」の精神なくしては不可能なことだ。李明博(イ・ミョンバク)大統領は、4度にわたって安保関連閣僚会議を開き、事故現場と白翎島まで訪れた。

原因に対する推測をもとに対応を議論するのは望ましくない。今は、あらゆる可能性を念頭において調査することが最善だ。万が一、北朝鮮の仕業であることが明らかになれば、その時に報復方法を話し合えばいい。韓国の領海を侵し、艦艇を破壊して将兵の命まで奪ったとすれば、決して許されない挑発だ。政府が、あらゆる可能性について徹底した対応シナリオを準備すべきことは当然だ。

しかし、原因究明はそれほど容易なことではない。艦艇を引き揚げて調査を終えるには、1ヵ月もしくは2ヵ月かかる可能性がある。調査の結果、たとえ魚雷や機雷の攻撃によるものと明らかになっても、北朝鮮の関与を明らかにすることは別問題だ。政府が慎重な態度を見せているのもそのためだ。「天安」の艦長を経験した金成萬(キム・ソンマン)元海軍作戦司令官は、「推測を根拠に対応して、万一全く予測していなかった原因が明らかになれば、国の体裁は保てない」として、軍の調査結果が出るまで冷静に見守るべきだと話した。

今は行方不明者の救助に最善を尽くし、原因究明は政府と軍を信じて冷静に待つのが上策だ。憶測や追及は、真相究明にも役立たない。軍の対応に問題があるなら、後で問い詰めて責任を追及しても遅くない。今の状況で政界が前面に出れば、むしろ不必要な疑惑を増幅させるだけだ。市民団体の介入も望ましくない。

「天安」艦の惨事は、国の安全保障と直結した事案だ。政府は、何よりも今回の事態全般に対して一点の疑惑もないようにすべてを徹底調査し、透明に公開する必要がある。