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「血塗られた民主主義、その大切な記録」 写真集「民主革命の記録」

「血塗られた民主主義、その大切な記録」 写真集「民主革命の記録」

Posted February. 16, 2010 09:01,   

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専用機に同乗したチェ・キョンドク東亜(トンア)日報写真部長(当時・死去)は、「アイゼンハワー大統領は、当時の光景が分かるとうなずき、特に、金朱烈(キム・ジュヨル)君の遺体と高麗(コリョ)大学生らが暴漢に襲撃される写真をじっと見た」と話した。

アイゼンハワー大統領は1952年12月、大統領当選者として訪韓し、韓国戦争中の戦線を視察したことがあった。戦争の惨状だけを記憶していた彼の目に、新生韓国の国民が分断と戦争を経験したにもかかわらず、老若男女を問わず民主主義を勝ち取るために街に出て血を流す姿は、衝撃だったようだ。アイゼンハワー大統領は訪韓後、4・19革命について、「血と勇敢さで自由を守り抜いた」と語った。

4・19の歴史を撮った写真集「民主革命の記録」は、「この一冊を若い英霊に捧げる」という献詞で始まる。発売の辞は、「2・28大邱(テグ)学生デモで始まり、4・26の感激の瞬間に至るまで、銃弾で倒れる若者を抱えながらレンズで追いかけた血塗られた歴史のページ、民主革命の断面を紹介する」と綴られた。

同写真集にある283枚の白黒写真は、多くが当時の東亜日報写真部のチェ・キョンドク部長、李ミョンドン次長、朴ヨンユン、ホン・ソンヒョク記者が撮ったものだ。独裁打倒を叫び、街に出た全国の学生、市民のデモ隊、太極旗に覆われた金朱烈君の遺体、引き下ろされた李承晩(イ・スンマン)大統領の銅像、襲撃された李起鵬(イ・ギブン)副大統領の私邸など、2・28大邱民主運動から李承晩大統領が下野した4月26日まで、革命の生々しい姿が盛り込まれた。6月1日に初版2万部を刷ったが約10日で完売し、翌月発売された再版1万部もすべて売れるなど、熱を帯びた反響を得た。

表紙には、戒厳軍の戦車の上に乗って、李承晩大統領の下野声明に歓呼する市民たちの写真が載せられた。これを撮影した朴ヨンユン記者は、「拍手する市民の手がまるで祈りのように見えた」と話した。この写真は、別の新聞や各種書籍などに出所の明記なく掲載されるなど、4・19革命の勝利を象徴する代表的な写真となった。

東亜日報のカメラマンたちは、ソウル、釜山(プサン)、馬山(マサン)をぬって、降り注ぐ銃弾の中死の危険を顧みず、この激しい革命の瞬間をカメラに収めた。4月19日午後、ソウル景武台(キョンムデ)前で、学生たちが銃弾に倒れる姿を撮影した李ミョンドン次長(当時・90)は、「鮮血に染まった太極旗を抱いて、民主主義と自由を叫んで死んでいった若者の姿を一生忘れることはできない」と語った。



jjj@donga.com