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ネットのデマで「暴力団の女子大生」にでっち上げられた

ネットのデマで「暴力団の女子大生」にでっち上げられた

Posted January. 22, 2010 08:17,   

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クリスマスのムードに包まれていた昨年12月24日。あるインターネットのポータルサイトの掲示板に「悔しい出来事」が掲載された。「本当に悔しくてたまりません」というタイトルのこの書き込みは、自分を障害者だと紹介したある男性が書いたものだった。

彼は片思いを寄せている女性について、「自分のことが好きだという理由だけで、暴力団のメンバーである彼氏に、レンガや火のついたタバコで、私に暴行を加えさせた」とし、「それに対して抗議する自分に、某大学の地方キャンパス出身のくせに、法律云々なんて話にならないと悪態をつきながら、私をあざ笑った」と書いた。

彼は、自分に対し暴行を加えたこの女性の通っている大学や学科、苗字まで公開した。粗末で信頼性に欠けるこの書き込みに、ネットユーザーらはそれほど関心を示さなかった。だた、彼は書き込みの最後に、「近いうちにその女の実名を公開した嘆願書を作り、A大学前にばらまいてから自殺するつもりだ」と加えた。

半月ほどだった今月9日、A大学の地下鉄駅で自殺事件が起きた。高校生のチ某君(18)が、駅に入る電車に飛び込んで自殺したのだ。遺族は自殺の理由が分からなかった。当時、この事件を取材した一部のメディアは、「20代後半の男性が、A大学の電車駅で飛び込んで自殺した」と、自殺者の年齢を誤って報道した。

マスコミによる誤報が出た後、予期せぬことに、「A大学の地下鉄駅での20代の自殺」と、「障害者への暴行」が結びついた。目ざといネットユーザーらは、A大学前での自殺を公言した「障害者」が、実際、同日自殺をした20代男性だと思ったのだ。

自殺事件が起きた9日以降、同書き込みが最初に掲載された12月24日付の掲示板には、訪問者が殺到した。ネットユーザーらは、書き込みに「A大学前での地下鉄による自殺事件」記事をリンクさせ、元本の書き込みと自殺当事の状況を整理し、「○大学○学科の○○学番の○さん」という名前で、この内容を広めた。自殺事件以降、この書き込みは、クリック数が1万回を超えるなど、ネットユーザーの間で話題となった。実際、その男性が自殺したと信じる何人かのネットユーザーは、「自殺した男性の冥福を祈る」や、「○さんを殺せ」などの過激な書き込みを残した。ネットユーザーらのとんでもない誤解と報道のため、○さんは、にわかに可憐な男性の自殺を誘導した「人殺し」にされていた。

この出来事の当事者である○さんは21日、東亜(トンア)日報との電話インタビューで、「男性が掲載した書き込みは、全くでたらめだ。その書き込みは1年前から、私をストーカーしていたある男性が掲載したものであり、彼は死んでいない」と話した。○さんは、「最近、自分のせいで、障害者の男性が自殺したと、ネット上でうわさが広まり、学校や専攻、苗字まで公開され、悔しいばかりだ」と涙ぐんだ。しかし、○さんとその家族は、その男性の家族から、今後、問題を起こさないという誓いを受けた後、警察には届けていない。

この書き込みを掲載した男性は、問題が深刻化した12日、「僕はまだ生きている。物議をかもして申し訳なく、償いをしたいと思う」という書き込みを新たに掲載した。○さんは、そんな人ではないという知人らの書き込みも掲載されたが、一度広まったうわさは、止まるところを知らなかった。同学校の学生は、「この書き込みを作成した男性は、9月から同様の書き込みを掲載し続けた。事実でもないのに、これ以上広めないでほしい」と訴えたが、ネットユーザーらは、「学校の外での出来事であり、まだ確認が取れていない」「身元情報を公開し、確認しなければならない」という意見まで出した。

高麗(コリョ)大学社会学科の金文朝(キム・ムンジョ)教授は、「かつての都市伝説は、言葉通り『根拠のないうわさ』であり、そのまま放置すれば消えてしまったが、インターネットが活発化されてからは、都市伝説は自ら破壊力を持ち始めている」とし、「数年前にうわさされたデマもそのまま記録されており、忘れられてくれば、再び浮上するなど、弊害が増大している」と指摘した。



jmpark@donga.com