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「余り驚くな」「部屋の床を掻く男」が作品賞 東亜演劇賞

「余り驚くな」「部屋の床を掻く男」が作品賞 東亜演劇賞

Posted December. 30, 2009 08:33,   

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今年東亜(トンア)演劇賞は、世間を驚かせるところだったが、結局は、「余り驚くな」に決着がついた。28日に開かれた第46回東亜演劇賞を巡る最終審査は、珍しく激論の中、夜遅くまで行われた結果、グランプリ受賞作無しで、作品賞は、劇団「小路」の「余り驚くな」と、ヨンヒダンゴリペの「部屋の床を掻く男」に決まった。賞金はそれぞれ1000万ウォンずつ。

「余り驚くな」は、演出賞(朴グンヒョン)や演技賞(チャン・ヨンナム)まで受賞し、3冠に輝いた。劇団「小路」の朴グンヒョン代表は、これまで2度に渡り戯曲賞を受賞したが、演出賞は初めて。

朴代表は一時、戯曲賞の候補としても有力と見られ、演出賞に戯曲賞まで同時受賞する例のない栄光に輝くところだったが、結局、初の演出賞受賞に満足しなければならなくなった。

「部屋の床を掻く男」も、新人演出賞(李ユンジュ)や舞台美術賞(李潤澤)を受賞し、3冠に輝いた。李潤澤(イ・ユンテク)氏は、演出賞=4回、戯曲賞=2回に続き、今年は舞台美術・技術賞まで受賞し、東亜演劇賞で7回受賞の大記録を樹立した。李氏は、「若い作家や地方の演出家、新人役者が一丸となって作った作品の後押しをするつもりだったが、受賞まですることになり、これまでのどんな賞を受賞した時よりも嬉しい」とし、「もっと年を取ることになれば、演技賞にもチャレンジしたいと思う」と高らかに笑った。

劇団「小路」と「ヨンヒダンゴリペ」は、06年の第43回東亜演劇賞でも、それぞれ「キョンスギ、キョンスギの父親」や「不屈の母親とその子供ら」で作品賞を共同受賞し、それぞれ3冠と4冠に輝いた経験がある。

「余り驚くな」は、トイレで首吊り自殺をはかった父親の遺体を放置している2人の息子とその嫁を通し、韓国社会に蔓延っている二重性やエゴをブラックコメディとして風刺した作品である。卑劣な現実への批判意識のほか、演出家や役者が一丸となったリズムやテンポ、しっかりした構成が際立つという評価を受けた。「部屋の床を掻く男」は、再開発予定地の古びた一間の部屋で暮らしながら、怠けの限界に挑戦する4人の男の異常な行動を通し、激しい競争社会の裏を風刺した作品。韓国社会への鋭い批判意識と共に、人生への楽天性を失わなかったこと、また、2坪の手狭なスペースを立体的かつ神話的な空間に変化させる舞台演出が、高い評価を受けた。

戯曲賞は、「白いユスラウメの実」のべ・サムシク作家が受賞した。「白いユスラウメの実」は、江原寧越(カンウォン・ヨンウォル)の山間部の田園住宅を舞台に、人と人、人と動物、人と植物との交感を描いた作品。審査委員らは、「劇的な紆余曲折は足りないが、表立たないところの物語により、さまざまな意味のネットワークが構築されており、すばらしい戯曲だ」と評した。

演技賞は当初、チャン・ヨンナム氏とソ・ジュヒ氏の2人の女優に授与すべきだという見方が力を得たが、男性俳優で、ユージン・オニール原作の「夜への長い旅路」の中でずば抜けた演技を披露したチェ・グァンイル氏が後になって取り上げられ、女優はチャン・ヨンナム、男優はチェ・グァンイルに意見が一致した。ソ氏に対しては、女性審査委員らが、「どこで何になって出会うだろう」の平岡(ピョンガン)姫役を支持した一方、男性審査委員らは、「バケレータ!」のミヒ役を支持し、票が分かれた。

柳仁村(ユ・インチョン)新人演技賞は、江原道の小さな町の背広屋を舞台にした「シドンラサ」で、夫に献身的な愛を捧げる背広屋の女主人役を演じた李ジヒョン氏と、「白いユスラウメの実」で、女子高生の教え子と恋に落ちる倫理教師の役を演じたベク・イクナム氏が受賞した。

特別賞は、海外の演劇理論を本格的に紹介し、韓国演劇評論の発展に貢献した演劇評論家の故韓相迵(ハン・サンチョル)元翰林(ハンリム)大学教授が受賞した。「新概念の演劇賞」は今年は受賞作が決まらなかった。

授賞式は来年2月8日午後3時、ソウル鐘路区大学路(チョンノグ・テハクロ)のアルコ芸術劇場で行われる。



confetti@donga.com