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[社説]李大統領が直接乗り出した世宗市問題、合理的な結論を出すべきだ

[社説]李大統領が直接乗り出した世宗市問題、合理的な結論を出すべきだ

Posted November. 28, 2009 09:08,   

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李明博(イ・ミョンバク)大統領は昨日、テレビで生中継された「大統領との対話」で行政中心都市と予定されている世宗市の修正が避けられない理由について説明した。李大統領は、07年の大統領選挙の時と大統領就任後、世宗市を原案通りに建設すると言った自分の約束を守れなくなったことに対し遺憾を示した。李大統領の直接発言によって、世宗市の修正はもう緊急の国政課題になった。大型国策事業の流れを変えることだから、議論がないはずがないが、消耗的な論争よりは生産的な議論で忠清道(チュンチョンド)はもちろん、国全体にプラスになる結論を見い出さなければならない。

世宗市構想は、そもそもそれ自体の必要性よりは政治的利害打算の産物だった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府が主張したように、首都圏の過密緩和や地域均衡発展の側面から見ても、世宗市構想はお門違いだ。行政が中心になる都市で、そのような目的を達成するというのは世界でも前例のないことだ。原案通りなら、夜は明かりのない都市になりかねない。目標人口50万名どころか、10万名も満たしがたく、自足都市としての機能さえ持ちにくいというのが、多数の専門家の見解だ。

その上、事実上の首都分割による行政浪費や国家的危機状況の発生時の対処能力の低下、国家競争力の低下、統一後の状況変化などは深く考慮していない。このような問題点を解決し、地域均衡発展という目的を達成する上で、より良い方策があるとしたら、わざわざ世宗市を行政中心都市にすることにこだわる理由がない。したがって、これからはどうすれば、世宗市を、自足機能が十分で、忠清地域の発展を促進し、国土の均衡発展に貢献できるようにするかに議論の焦点が合わせられるべきである。

必要があれば、土地の活用策から規制緩和、税制支援に至るまで、青写真を最初から描き直さなければならない。ただ、その過程で他の地域に不利益をもたらしたり、逆差別の不満が出ないように注意するのも重要だ。いくら世宗市の修正が避けられないと言っても、国民的な支持を取り付けられなかったら、推進するのが困難だ。野党とハンナラ党内の親朴(親・朴槿恵)系、忠清地域の協力を引き出し、世論の説得に積極的に乗り出すのは基本だ。

大統領が前の政府で決めて、与野党の合意で国会の同意を得ており、大統領選挙の時に自分の口で移行を約束した事案を覆すというのは信頼と直結する問題だ。しかし、間違いに気づいていながらも、非難と政治的な不利益を意識して目を瞑り放置したら、国の最高指導者としては無責任極まりないことだ。世宗市問題は、選挙の際、やたらに人気を意識した公約を乱発するのがどれほど危険なのか、後日、その尻拭いにどれほど大きな代価を払わなければならいのかをはっきり見せてくれた。二度とこのようなことの二の舞を踏むことがあってはならない。