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韓国料理のグローバル化に「韓国料理」はない

韓国料理のグローバル化に「韓国料理」はない

Posted November. 12, 2009 09:14,   

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●「フュージョン」ブームに押された韓国料理のアイデンティティ

今回のインタビューには、ロッテホテル・ソウルやグランド・シェラトン・ウォーカーヒル、メイフィールド、ルネサンス・ソウルの4つのホテルと、韓国オリジナルブランドのホテルであるグランド・アンバサダー・ソウルの料理長級以上のシェフが参加した。

シェフらは軒並み、「韓国料理のアイデンティティ」を強調した。簡単に言えば、韓国料理を掲げ、世界へ進出するには、それより先に「韓国料理とは何か」、「特徴は何か」、「どのように作れば、きちんとした韓国料理となるのか」などの質問に対する答えを、先にまとめるべきだということである。グランド・アンバサダーホテルのシム・チャンシク調理部長(48)は、「韓国料理のグローバル化と言うと、メニューをフュージョン化することだと考えがちだ」とし、「実は、韓国料理についての理解が深まっていれば、フュージョンではなく、外国食文化のそれぞれの段階に合わせ、韓国料理をそのまま取り入れることもできる」とアドバイスした。

グランド・シェラトン・ウォーカーヒルの韓国料理店「オンダル」の李ジェオク料理長(52)は、「今のところ、韓国料理を巡る研究開発(R&D)は、簡単にできるフュージョンに集中されており、それでは長くは続かない」と言い切った。ロッテホテルの李ビョンウ総厨房長(54)は、「我々の食文化を世界に発信することこそ、韓国料理の世界化であるはずなのに、12年までに目に見える成果を出すということこそ、急ぎすぎであり、話にならない」と指摘した。いきなり「トッポッキ」が出たのも、ほかならぬそのためであると指摘した。

●「韓国料理のスターシェフ」の育成が肝心

また、シェフらは「韓国料理のスターシェフ」を育成することの重要性も強調した。何人かのスターシェフが輩出されれば、政府からうるさく言われなくても、韓国料理のグローバル化は自然に行われるというわけだ。そのため、政府もスターシェフ育成の重要性は認識しているが、2、3ヵ月間の「スターシェフの養成プログラム」を運営する水準で止まっている。これすら、準備不足で始まっており、受講生らの不満は大きい。延世(ヨンセ)大学や又松(ウソン)大学、ウォーカーヒルが一緒に進めているこのプログラムの一人の受講生は、「大学側のプログラムは急いで作らたため、中身がずさんである上、受講生らも社長や企業の関係者など、スターシェフの養成趣旨と合わない人々が多かった」と指摘した。

●「韓国料理の世界化に、韓国料理のシェフがいない」

グランド・シェラトン・ウォーカーヒルホテルの李チュンシク調理チーム長(47)は、「ホテルでは主に外国人に対して韓国料理を提供しており、シェフらは外国人の好む味や趣向などを分析し、韓国料理に反映している」とした上で、「したがって、彼らの経験は、韓国料理のグローバル化に向け、重要な資産となる」と語った。にもかかわらず、韓国料理のシェフらが、韓国料理のグローバル化推進に全く参加できずにいるのは、現在、勧められている韓国料理のグローバル化作業は、フランチャイズ会社を中心に行われ、短期間で成果を出すためのものだと分析した。特に、公務員や教授、企業家、農家や漁師などが含まれた韓国料理のグローバル化推進団委員35人のうち、ホテルの韓国料理のシェフは1人もおらず、推進団を補佐する諮問団33人も、教授や企業家が大勢陣取っており、シェフは全くいない。

●「食薬同源」からスタートを

シェフらは、より多くの議論や研究が必要であることを前提にしながらも、韓国料理のアイデンティティは、「健康志向の食べ物」からアプローチすべきだと主張した。李グムヒ料理長は、「洋食に比べ、手入れに手間がかかる上、厳選した食材を使わなければならず、コストがかかるが、それこそ健康志向の食べ物だという強みでもある」と語った。

「食べ物と薬は、その根源が一緒だ(食薬同源)」という先祖らの食べ物への概念から、アイデンティティを確立していくべきだという。健康志向の食べ物として、韓国料理は海外からも好評価を受けている。日本の成田国際空港で、CJフードシステムが昨年開業した「ウェリ&石焼ビビンバ」は、空港のフードコートで売上高2位になるほど、健康食として人気が高い。ルネサンスホテルの韓国料理店「サビル」の金ソンテ料理長(48)は、「健康食という側面から、カルビよりはビビンバの方が可能性が高い」と提案した。



kky@donga.com