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[オピニオン]「羅老号の悲哀」

Posted August. 21, 2009 08:20,   

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韓国初の宇宙発射体、羅老(ナロ)号は一昨日、離陸を7分56秒控えた状態で、打ち上げが中止となった。残念でならない。ロケットの状態を点検するソフトが、高圧タンクの圧力を読み違えたために起きた問題だったという。トラブルの原因の解明には、韓国の研究チームは参加できなかった。「我々がロシアと共同開発する」とした政府の説明とは異なり、第1段の液体燃料エンジンはロシアが主導し、我々は購入したからだ。政府は、発射台関連技術の80%を国産化したと主張しているが、ロシアが核心技術の設計図まで、手渡すはずがない。

◆政府は02年、技術もないまま、羅老号の開発事業に乗り出した。先進技術を購入するか、見よう見真似で学び、「クォンタム・ジャンプ(大跳躍)」するという構想だった。しかし、05年、パートナーとなった発射体分野の先進国、ロシアは技術を提供しなかった。ロシアの要求によって結ばれた「宇宙技術保護協定」は、液体燃料エンジンの技術移転を禁じ、韓ロ間の技術の従属関係は固定させた。宇宙技術の格差を縮め、自立するための研究開発(R&D)や政治、外交面からの支援が切に求められる。

◆エンジニア出身のある中小部品メーカー代表は、「技術従属を打開するためには、世界の流れを読み取り、需要を予測した上で、予め作ってみる試みが大事だ」と語った。種子アイテムによって地道に売上を上げながら、持続的成長の可能な新アイテムを発掘する好循環の事業構造が肝要だという。種類が何万もある部品分野は、中小企業もR&Dを通じ、世界一になることができる。しかし、今のところ、日本への依存度が非常に高い。技術従属に伴うコストは、特許料や使用料の収支統計に含まれるが、07年、同分野の対日赤字は5億2000万ドルだった。

◆我々が先導している事例も多い。現代起亜(ヒョンデ・ギア)自動車は04年、世界最高の技術力を誇る日本のトヨタ自動車から、ハイブリッド・エンジンの技術提携の提案を受けたが、断った。当面はトヨタの技術や部品で、容易に市場参入できるが、長期的には技術従属により肩身が狭くなると見込んだためだ。歯を食いしばった現代(ヒョンデ)車の開発チームは、結局、液化石油ガス(LPG)エンジンや電気モーターを組み合わせたハイブリッド・エンジンの開発に成功し、これを搭載した車両は今年、国内で披露された。羅老号の打ち上げ失敗は、技術従属の悲哀を骨身にしみて感じさせる。

洪権熹(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com