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140トンのロケット、9分で306キロメートル上空へ

140トンのロケット、9分で306キロメートル上空へ

Posted August. 14, 2009 08:15,   

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今月19日に予定されている韓国初の宇宙発射体・羅老(ナロ)号(KSLV−I)の打ち上げが、5日後に迫り、羅老号の性能に関心が集まっている。羅老号は、重さ100キロの科学技術衛星2号を540秒で、地上306キロメートル上空まで打ち上げる任務を担っている。このため、羅老号には、ケロシン(灯油)と液体酸素を燃料に使う液体ロケットエンジンと固体エンジンの2つのロケットが搭載されている。羅老号には、このほかにも、飛行制御と地上局との交信に必要な先端電子装置が搭載されている。羅老号は、最先端機械工学と電子工学、材料工学が結合した工学技術の花に違いない。羅老号が、科学技術衛星2号を宇宙へ無事に打ち上げれば、韓国は自国から国産衛星を発射する10番目の国になる。

●成功すれば、「自国衛星打ち上げ」10番目の国家

地球の重力に抗し大気圏外に出るために、羅老号の下端には1段目の液体ロケット、上段には固体ロケットが搭載されている。重さが140トンもある羅老号を宇宙へ打ち上げるため、最大の力を発揮する部分は、1段目の液体ロケットだ。ロシアのフルニチェフ社が開発した1段目の液体ロケットは、170トンを持ち上げることができる力がある。

液体ロケットの燃料には、ケロシン(灯油)と液体水素、ジメチルヒドラジン、メタンなどが使われる。羅老号は、このうちRP1とも呼ばれるケロシンを燃料にし、酸化剤に液体酸素を使う。ケロシンは、ロケットエンジン内で爆発力が出るように特殊精製された灯油だ。ガソリン同様のエネルギーを持っており、液体ロケット燃料として広く使われている。KAIST航空宇宙工学科の権世震(クォン・セジン)教授は、「ケロシンのエンジンは、米国を含め、ロシア、欧州で最も広く使われている技術だ。長所・短所はあるが、常温で不安定な水素や毒性が強いメタンやヒドラジンに比べ、比較的検証されているエンジンだ」と説明した。

1段目のロケットが打ち上げられた229秒後に、196キロメートル上空で作動を止め、続いて上段ロケットが点火される。固体燃料を使う上段ロケットは、衛星を300キロメートル上空の宇宙軌道に安着させる役割を担う。固体ロケットは、HTPBというプラスチック成分とアルミニウムパウダー、過酸化アンモニウムを混ぜて作った固体燃料を使用する。固体ロケットは構造が簡単で、いつでも発射しやすく、主に軍事用ミサイルに多く使われる。しかし、一度燃焼を始めると、燃料が消耗するまで作動するため、衛星の打ち上げなどの精緻な制御が必要な宇宙発射体に使うには、いくつか問題があるという指摘もある。

●検証されていない新型ロケット導入で、技術的論議も

ロシアのフルニチェフ社は、「アンガラ1.1」と呼ばれる新型RD-191Mロケットを変形したRD-151を供給する。RD-191Mは、2011年の打ち上げを目標に、ロシアが開発している新型モデル。RD-151は、これまで一度も打ち上げを行なった経験がなく、まだ開発中の新型ロケットの試験用ロケットというわけだ。羅老号の総開発コスト5025億ウォンの半分が、ロシアの同新型ロケットの購入に充てられた。

59年から99年までに地球から打ち上げられたロケットは、計4378回。このうち、打ち上げに失敗した回数は390回で、91.9%の成功率だ。しかし、初めての打ち上げに成功した国は、ロシアとフランス、イスラエルの3国に止まる。羅老号に対する技術的論議が提起されるのも、十分な検証が終わっていない新型ロケットを取り入れた理由が、不透明だからだ。

その上、打ち上げをわずか数週後に控え、重要な1段目の液体ロケットの燃焼テストで、異常が感知され、疑惑は増した。教育科学技術部と韓国航空宇宙研究院は11日、ロシア側が送った最終確認書を提示し、「羅老号の技術的欠陥はない」と明らかにしたが、すっきりした返答ではなかった。特に、ロシアで燃焼テストが終わってもいないのに、打ち上げ日程を先月30日に無理に決めた理由を明らかにできていない。

また、わずか数ヵ月前に、RD-151エンジンが、196トン級推進力を持つRD-191Mの性能を170トン級に下げた変形エンジンだと言っていたが、RD-191Mとハードウェア構造は同じで、一部性能をソフトウェアで「チューニング(細部操作)」したモデルだという発言を変えた部分も、釈然としない点として残っている。



kunta@donga.com