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チャミスルのライバルは液晶テレビ? 業界のライバル地図に変化

チャミスルのライバルは液晶テレビ? 業界のライバル地図に変化

Posted May. 20, 2009 03:05,   

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「チャミスル」ブランドの担当者である真露(チンロ)のソン・ミンチョル次長は最近、テレビの新製品の市販ニュースを聞くたびに、不安でならない。新たに発売されるテレビは、画質はもとより価格も細かくチェックしている。

ソン次長は、「液晶表示装置(LCD)テレビのように、画像家電の画質は日増しに向上し、仕事終わりに酒を飲んでいたサラリーマンらが、自宅でテレビや映画を見るのを好むようになった」とし、「LCDテレビの普及が進むほど、焼酎の消費は減っていくだろう」と見込んだ。

国内産業界のライバル関係地図が塗り替えられている。エバーランドの競争相手はロッテワールド、南陽(ナムヤン)乳業の競争相手は毎日(メイル)乳業という等式は、形骸化して久しい。焼酎はLCDテレビ、ゲーム会社はドラマという伏兵に出会うなど、「領域を超えた競争」が展開されている。

東亜(トンア)日報は13日から15日にかけて、酒類や携帯電話、ゲーム、食品など、消費者と密接なかかわりを持つ10分野の選好度においてトップの座を守っているブランドのマネジャーを対象に、「今のあなたのライバルは誰なのか」について聞いて見た。

「我々はトップにつけており、ライバルなどいない」と回答した人は一人もいなかった。チャムミスル(エキス・キャンバス、パーブ)やNCソフト(米ドラマ)、バッカス(スター・バックス)、エニー・コール(テンプル・ステイ、本)、ウンジン・コーウェイ(SKテレコム、シンガポール航空)、カグリーン(キシリトール・ガム)、雪花秀(=ソルファス、スパや漢方医院)など、ほとんどが他業種の中から、ライバルを挙げた。

●市場シェアから時間シェアの競争へ

国内トップのゲーム会社、NCソフトは、「米ドラマ」が悩みの種となっている。「ゲーム会社がなぜ、ドラマのために悩むのか」と尋ねると、NCソフトの李在星(イ・ジェソン)常務は、「かつては、ドラマは制作者中心の一方的なコンテンツだったが、ゲームは双方向性を武器に、10代や20代の若い消費者を引き込んだ」とし、「しかし、米ドラマが『シーズン』の概念を導入し、消費者のニーズをリアルタイムで反映することになり、世界中の人々のレジャー時間を巡り、戦いを繰り広げるライバルとして浮上した」と説明した。

スポーツ用品業界の大手「ナイキ」も一時、低迷の泥沼に陥った。1994年から5年連続して3倍以上の驚異的な成長率を記録した後、徐々に減速の兆しを見せ始めたのだ。当時、ナイキが徹底に行った市場調査の末に下した結論は、「任天堂に注目せよ」だった。なぜだろう。青少年らが任天堂のゲームに夢中になり、運動のために外に出なければ、運動靴の売上は減少せざるを得なかったためである。

光云(クァンウン)大学・産業心理学科の李ビョングァン教授は、「ナイキの事例は、『同じ業界の平面的な市場シェアの競争が、異業種間の顧客の時間シェアを巡る競争へと変っている』という新競争構図を示している」と語った。

●無形価値に注目せよ

国内大手スーパー業界トップ「イーマート」は、三星(サムスン)電子の携帯電話「エニー・コール」をライバルだと名指した。大手スーパーと携帯電話がなぜ、競争するようになったのだろうか。イーマートの関係者は、「大手スーパーは携帯電話のように日常において絶対的に必要な存在となっており、流通においてもブランドの役割が増しつつある」とし、「エニー・コール・ブランドの無形価値は、イーマートに示唆するところが大きい」と伝えた。

それなら、エニー・コールの競争相手は誰だろう。三星電子は、公式的な見解を示す代わりに、テンプル・ステイや本など、マーケティング実務者らのひらめくアイデアを伝えてきた。三星電子の関係者は、「モバイルはもはや、情報技術(IT)機器を乗り越えたコンテンツの競争だ」とし、「消費者らが注目する無形のコンテンツが、モバイル業界の話題となっている」と説明した。

浄水器や空気清浄機など、レンタル家電業界の先導走者であるウンジン・コーウェイは最近、SKテレコムやシンガポール航空の顧客戦略を学ぶのに全力を上げている。ウンジン・コーウェイ側は、「顧客満足度がブランド・パワーへと直結するだけに、顧客満足によって最高の企業となって両社をベンチ・マークしている」と明らかにした。

●トレンドを読め

見舞いや知り合いを訪れる際の手土産として定評のドリンク剤バッカス(東亜製薬)の競争相手は、ビタ500(広東製薬)だろうか。東亜(トンア)製薬は、スターバックスを競争相手に挙げている。経済的な豊かさを受け、「親父くさい」滋養強壮剤を飲む代わりに、「クール」にスター・バックス・アメリカンを飲む若い消費者が増えつつある。

アモーレ・パシフィックの漢方化粧品「雪花秀」は、1年間の売上が5000億ウォンを超えるメガ・ブランドである。国内化粧品ブランドのうち、売上規模の面で最も大きい。

最近、海外への進出を公言した雪花秀が、「一所懸命に勉強している」相手は、シャネルでもランコムでもなく、ほかならぬ漢方医院やスパだ。

雪花秀のムン・ヒョンスク・マネジャーは、「漢方化粧品であるだけに、マーケティングの直感を、漢方医院やスパから主に得ている」と伝えた。



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