Go to contents

「韓国のハッブル」ミリスが宇宙の隙間市場を狙う

「韓国のハッブル」ミリスが宇宙の隙間市場を狙う

Posted April. 24, 2009 03:25,   

한국어

24日は、ハッブル宇宙望遠鏡が宇宙に打ち上げられてから19年目になる年である。世界初の宇宙望遠鏡であるハッブル望遠鏡は、これまで44億キロを移動しながら数々の天体写真を撮っては送ってきた。最近、その寿命が尽き、「第2のハッブル」が20年ごろに打ち上げられるだろうという推測も出ている。世界各国は最近、ハッブル望遠鏡の後を継ぐ次世代宇宙望遠鏡の後続モデルを相次いで披露している。韓国の科学者らも独自的な宇宙望遠鏡を開発し、遠くないうちに先進諸国と共に、宇宙の秘密を垣間見ることのできる小さな窓を開く計画だ。

●「赤外線」が大勢…、ハーシェルは最長波長を使う

宇宙は今も引き続き膨張を繰り返している。宇宙生成の初期に作られた数々の星や銀河は、地球から次第に遠ざかっている。地球から遠く離れている天体であるほど、波長の長い光を利用することで観測することができる。可視光線の望遠鏡より波長の長い赤外線望遠鏡のほうが、初期の宇宙の様子を観測するのにさらに有利であるからだ。ハッブル望遠鏡は、可視光線を捉えているため、限界があった。

宇宙先進諸国は、赤外線宇宙望遠鏡の開発にいち早く乗り出している。米航空宇宙国(NASA)は13年、「ジェームズ・ウェブ宇宙望遠鏡(JWST)」を打ち上げる。JWSTは、望遠鏡の目の役割をする反射鏡の直径が6.5メートルに上る。ハッブルより2.7倍も大きく、地球から130億光年(1光年は光が1年間で届く距離)離れた宇宙まで見ることができる。

日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発している「スピーカー」や、欧州宇宙機関(ESA)が開発中の「ハーシェル」も、同様に赤外線宇宙望遠鏡である。このうち、ハーシェルが最も長い波長、JWSTが最も短い波長の赤外線を使う。現在開発中の宇宙望遠鏡のなかでは、ハーシェルが最も遠く離れているところの天体まで観測することができるという意味である。米国や日本はそれぞれ04年と06年、すでに、「スピッツァー」や「アカリ」という赤外線宇宙望遠鏡を打ち上げた。これらは、2˜200マイクロメートル(1マイクロメートルは100万分の1メートル)の赤外線を利用して、さまざまな天体を観測している。

●ミリス、ハッブルより視野が1万倍以上広い

韓国も最近、赤外線宇宙望遠鏡の開発に参入している。国内の科学者らは、宇宙先進諸国が先取りしている領域から脱して、宇宙の「隙間市場」を攻略するという戦略だ。韓国天文研究院は昨年から、「ミリス」という赤外線宇宙望遠鏡を作り始めている。ミリスは、スピッツァーやアカリより短い1˜2マイクロメートル波長の赤外線を見つけ出すことができる。それより長い波長の光を見つけ出すスピッツァーやアカリでは見ることのできない星の様子を見つけることができる。

ミリスはほかの赤外線宇宙望遠鏡より視野が広い。ハッブル望遠鏡と比べても、約1万倍も広い。長さ60センチ、レンズの直径が8センチの小型望遠鏡であるため、焦点距離が短いからだ。いわば、広角撮影が可能であり、一度で数多くの星を観察することができる。天文研究院・衛星搭載体研究チームの朴ジャンヒョン博士は、「ハッブルは一本の木を細かく見るのに有利だが、ミリスは森の観察に適している」と説明した。ミリスは10年末、科学技術衛星3号に乗せられ、打ち上げられる予定だ。

スピッツァーとアカリは現在、地球から約600キロ離れた宇宙空間で作動している。延世(ヨンセ)大学・紫外線宇宙望遠鏡研究団が開発している赤外線宇宙望遠鏡「アモンラ」は、12年ごろ、これより一段と遠い150万キロの上空へと打ち上げられる。アモンラの観察対象は、宇宙ではなく地球だ。地球から反射される赤外線を測定することになる。地球が熱くなるほど大気中に含まれる水蒸気が増え、局地性暴雨や台風の原因となる雲がよく発生する。延世大学の金碩煥(キム・ソクファン)教授は、地球に達した太陽の光が雲に反射され、戻ってくる量を観察すれば、地球温暖化の進み具合を推定することができる」と説明した。

赤外線のほか、異なる光を見る宇宙望遠鏡を開発している韓国人科学者もいる。梨花(イファ)女子大学・超微細電子機械システム(MEMS)宇宙望遠鏡研究団は、ビックバン以降、宇宙で起きる最も強力な爆発と呼ばれるガンマ線の爆発の観測のため、「ユーフォ」宇宙望遠鏡を開発している。ガンマ線の爆発は、04年打ち上げられた米スイフト衛星がすでに観察している。しかし、爆発が起きたところに望遠鏡を回すのに、70秒もかかり、ガンマ線爆発の初期の様子を撮ることができなかった。

ユーフォには約1ミリ・サイズの超微細鏡1万個が取り付けられる。鏡の角度1度を変えるのにかかる時間は、2万分の1秒。瞬時に起きる天体現象を観測することができる。朴日興(バク・イルフン)研究団長は、「スイフト衛星が首を回して見るとするなら、ユーフォは瞳だけ回しながら観測するのと同様だ」とした上で、「3年後、NASAの小型衛星に乗せて宇宙へと打ち上げ、世界で初めてガンマ線の爆発瞬間を撮影するのにチャレンジするつもりだ」と明らかにした。