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振り込め詐欺の逆風、官公署が困惑

Posted March. 21, 2009 09:04,   

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「こちらは銅雀(トンジャク)警察署です。口座の暗証番号が流出されており、早急に支払いを停止してください」

「この詐欺師の野郎。お前が警察なら、私は警察の祖父だよ」

ソウル銅雀警察署の知能チームの班長、ナ・ソック警部補(51)は最近、振り込め詐欺犯の通帳にお金を振り込んだ被害者らのうち、まだ被害届けを出していない人を見つけて、追加の被害を防ぐため電話を掛けた。しかし、被害者は「警察」という言葉を信じず、振り込め詐欺犯と誤解した。

ナ警部補は、「振り込め詐欺にやられたためか、警察だといっても、最初から話を聞こうとしない」と話した。

●「うちは本物ですよ」

警察署や郵便局、税務署などの役所では、急を要する業務のため、市民らに電話やメールで連絡を取っても、「振り込め詐欺犯」と誤解され、仕事に支障を来たす事例が増えている。

ソウル廣津(グァンジン)郵便局の配達人であるクォン・オスン(50)氏は15日、引越し先の受取人に郵便物を手渡すため、電話を掛けた。しかし、受取人は、「廣津郵便局」という言葉を聞くと、早速電話を切ってしまった。

銀行や国税庁、税務署など、実際口座を通じて金の取引が行われるところは、さらに疑いをかけられる。ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)税務署で国税還付金を担当するソン・スンファ調査官は、「ガソリン価格の還付金を詐称する振り込め詐欺が多いせいか、実際、還付金の問題で電話をかけても、なかなか信じてもらえない」と伝えた。

本当に役所であるかどうかを一つ一つ確認しようとする市民が増え、役所の仕事への負担も増しつつある。

中央郵便局の苦情係りとして勤めている李ムンヨル(21)さんは、「振り込め詐欺に関する問い合わせの電話が殺到し、仕事ができないぐらいだ」とし、「そのため、郵便関連の問い合わせをしようとする市民がしばらく待たされ、また別の苦情が持ち上がったりしている」と語った。

●「自動応答の案内電話はまず、疑うべし」

これを受けて、官公署でもさまざまな対策を打ち出している。

永登浦税務署では、電話では口座番号などを要求せず、インターネット・ホームページから直接口座番号を打ち込んで、還付を受けるように誘導している。

警察でも、電話をかける前に郵便で出席要求書を送っている。ソウル西大門(ソデムン)警察署・知能チームの関係者は、「参考人としての調査を受けるように、電話で出席を要求しても信じてもらえず、直接郵便で出席要求書を送っている」と話した。

専門家らは少しだけ注意すれば、振り込め詐欺と本物の官公署とを区分することができると主張する。

まず、自動応答の案内電話が出れば、疑ったほうがよい。国税庁や税務署などでは自動応答の案内電話を利用せず、案内文を送る。従って、「税金還付件についてのご案内を受けるためには9番を」のような自動応答電話がかかってきたら、まず疑うべきである。郵便局の場合、メールには発信番号が表示されない。発信番号へと電話を誘導する振り込め詐欺を防ぐためである。金融監督院は、銀行口座と関連して個人には電話をしない。従って、「個人情報が流出しており、特定口座に金を振り込みなさい」という言葉は信じてはいけない。

東国(トングク)大学・警察行政学科の林俊泰(イム・ジュンテ)教授は、「官公署ではできるだけ、文書を利用して正確に請願者に告知しなければならず、市民らははなから疑うよりは、振り込め詐欺か、それとも本物の官公署なのかを慎重に区分する態度が求められる」と語った。



image@donga.com