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[オピニオン]仁川空港の力

Posted March. 12, 2009 07:55,   

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「シャワーは無料、子供を預ける施設や美術館も無料だ」。ある都市の紹介ではなく、仁川(インチョン)国際空港のことである。ここで乗り換えの飛行機を待つ乗り換え客は休みながら楽しめると、日本のTBS放送が昨年末に報じた。TBSは、日本の地方住民が海外旅行に行く時、日本の成田空港の代わりに仁川空港を利用する理由を取材した。その結果、仁川は世界98カ国の都市に飛行機が出ている成田より一回り多い170都市につながっているなど、様々な面で、「アジアのハブ」としての役割を果たしていることが分かった。

◆仁川空港を訪れる外国人らが、驚くことの一つに、情報技術(IT)の活用がある。1日平均200人が携帯電話で受信したコードで、搭乗手続きを行うのを見て、不思議がる。昨年からは1日平均4000人が、電子パスポートや指紋認識で、「自動の出入国審査」を受ける。シンガポールや香港の空港は、自動審査に平均14秒がかかるが、仁川空港は10秒程で済む。1月、仁川空港を見学したロシアの有力紙「ロシスカヤ」の記者は、特集記事で「どうしても指摘する点を見つけることができなかった」とした上で、「空港はこうあるべきだ」と書いた。

◆国際空港協議会(ACI)は今回も、仁川空港を世界1700あまりの空港のうち最優秀空港に選んだ。4年連続トップになった空港は、仁川空港が唯一である。昨年は搭乗ビルの建設やターミナル施設の再配置などで、サービスの質が低下しかねないという懸念もあったが、難なく終わった。世界空港のうち、初めてターミナルごとに翌日の予想乗客数を試算し、それに合わせたサービス人材を配置することで、顧客満足度を高めたことも、トップの秘訣の一つである。これまで、外国の航空や空港関係者4000人あまりがベンチマークするため、仁川空港を訪れた。

◆8年前に開業する時までは、不安視する見方も多かった。しかし、公企業から脱し、市場原理を掲げ、世界有数の空港を追い抜いた。出入国や乗換え時間の短縮など、スピード合戦だけ展開したわけではない。旅客ターミナルに美術作品を展示し、定期的に公演を行うなど、外国人に韓国文化の紹介もした。「韓国のサービス産業もやり方次第」ということを成果を持って、示した。しかし、ほかの国々の代表的な空港も、猛スピードで追い上げている。質のサービス競争は、日々激しくなりつつある。

洪権熹(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com