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北朝鮮最高人民会議、8日に第12期代議員選挙 後継への体制整備か

北朝鮮最高人民会議、8日に第12期代議員選挙 後継への体制整備か

Posted March. 09, 2009 08:33,   

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昨年、韓国の重鎮国会議員のA氏が平壌(ピョンヤン)を訪問した。出迎えにきた北朝鮮側関係者の職責は、朝鮮労働党傘下アジア太平洋委員会の委員長でも副委員長でもなく、「参事」(北朝鮮高官の対外用の肩書き)だった。

儀典を重視するA議員が多少不満気なのを見て、この参事はこのように言った。「私も最高人民会議の代議員(韓国の国会議員)です。気を悪くしないでください」。

北朝鮮で、人民の主権機関という最高人民会議の代議員は、1人あるいは1党独裁国家における「挙手機(採決するときに機械的に手を挙げて賛成する人)」にすぎない。各代議員も、党や国防委員会などの権力機関に職責があるかによって、身分が千差万別だ。

にもかかわらず、5年ごとに実施される最高人民会議代議員選挙と第1回会議に関心が集まるのは、金正日(キム・ジョンイル)総書記と朝鮮労働党が、人民の意思を口実に、各種重要な国家的施策を出すためだ。

8日に実施された第12期代議員選挙は、金総書記の「体制3期目」をスターとさせ、後継体制構築の出発点になるという点で、関心を集めている。最高人民会議は、9日に選挙結果を発表し、4月初めに第1回会議を開く予定だ。

▲金親子「3代世襲」の序章か〓今回の選挙の最大の関心事は、後継構図と関連して、金総書記の三男正雲(ジョンウン)氏が、代議員として公式に政治活動を始めるかどうかだ。

韓国の北朝鮮専門インターネット新聞の「デイリーNK」は7日、北朝鮮内部筋の話として、「正雲氏が西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)周辺の海上を防御する北朝鮮軍4軍団の黄海南道海州市(ファンヘナムド・ヘジュシ)の選挙区から立候補した」と報じた。韓国政府当局者たちは、「確認された事実はない」と述べている。

北朝鮮は、今回の選挙を控えて、「3代世襲」を暗示する様々な宣伝戦を繰り広げてきた。

北朝鮮放送によると、4・25文化会館創作室の詩人シン・ビョンガン氏は8日、金総書記が出馬した第333選挙区投票場の雰囲気を即興詩で「永遠の朝鮮革命の命脈、万景台(マンギョンデ)の血統、白頭(ペクトゥ)の血統を子々孫々に引き継いで・・・」と詠み、金親子の家門を称えた。

金総書記の息子の一人が代議員になったからといって、彼が後継者という意味ではない。後継者に指名されても、代議員職を務めないこともある。金総書記は、74年に後継者に内定したが、代議員になったのは8年後の82年だった。

98年と03年の代議員名簿には、「金正男(キム・ジョンナム)」が含まれている。その代議員が、金総書記の長男かは確認されていない。

▲後継体制のための周辺整備か〓北朝鮮は、98年の第10期と03年の第11期選挙を通じて、それぞれ代議員64%と50%を入れ替えた。このため、北朝鮮指導部が今年の選挙後に、後継構図を念頭に置いて、権力エリートの世代交代を断行することは明白だ。

金総書記が第1回会議で、後継構図の構築に向けた憲法改正を断行する可能性もある。過去の金日成(キム・イルソン)主席の地位と類似の新たな職責をつくって移り、後継者への新たな地位をつくるという見方だ。

金総書記が、国防委員長に再推戴されるのか、党と国防委員会など国家主要機関の要職に誰が抜擢され、押し出されるのかも、主要観戦ポイントだ。

いっぽう、朝鮮中央放送などの北朝鮮メディアは、同日午前9時から「全国各地の選挙者が、前例のない高揚した政治的熱意を抱いて、最高人民会議代議員選挙に投票した」と、時々刻々、投票状況を中継した。午後2時までの投票率は、93.1%だった。



kyle@donga.com