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[オピニオン]みんなが経済学者

Posted February. 13, 2009 03:43,   

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バラク・オバマ米大統領が先週、久しぶりに人々を笑わせた。経済回復諮問委員会の委員らと民間経済諮問団を紹介する場でのことだ。「この方々は経済学者です。または自分が経済学者だと思っている方々です」。あちらこちらで笑いが巻き起こると、オバマ大統領はさらに一言付け加えた。「最近はみんな自分が経済学者だと思っているのですから」。

◆21世紀に入って初の世界的な最悪の経済危機を迎え、経済学者らはその解決策をめぐって、し烈な論争を繰り広げている。財政支出をさらに果敢に拡大すべきだというポール・クルーグマンの勢力が主流になっているものの、同じくノーベル経済学賞の受賞者であるゲーリー・ベッカーは後世に借りだけを残すとして極力反対している。各国の政府もそれぞれ財政支出や政府の役割の拡大を中心にケインズ主義的な新ニューディール政策を試みているが、これに対する評価も正反対だ。米国の保守右派は大恐慌と失業を救済したのは第2次世界大戦であり、過度な政府支出は1970年代の景気低迷と1980年代のインフレをもたらしたと批判する。ケインズが財政赤字を恐れなかったのは、子どもがいなかったためという辛口の指摘もある。

◆自己修正に乗り出した経済学者もいる。クリスティーナ・ローマーはカリフォルニア大学バークレー校の教授だった07年3月、「景気回復には財政支出より減税が効果的」という論文を発表したが、米国家経済諮問会の議長になった今年1月には「財政支出がさらに効果的だ」という論文を出した。勿論、状況が変われば、論理も変わり得る。プリンストン大学の経済学教授のウベ・ラインハルトは、「経済学者らが自分の理論にイデオロギーを吹き込むのはあまりにも簡単だ」と述べた。

◆国内48の経済関連学界が12、13日、ソウルの成均館(ソンギュングァン)大学で09年経済学共同学術大会を開いている。この場で、左承煕(ザ・スンヒ)京畿(キョンギ)開発研究院長は、今の危機を市場の失敗と見る意見が多いが、「米国の住宅金融危機は不完全な市場のためというよりは、政府の反市場的な介入のため」と主張した。チョン・セウン忠南(チュンナム)大学教授は、減税について、「富裕層にメリットが集中し、財政を悪化させるだけだ」と語った。どの経済学者の話が正論なのか、「国民の経済学者」は戸惑いを感じるほどだ。どの主張であれ、結局、政界がきちんと判断して採択なければ意味がない。そのため、「おい能無しども!問題は経済だぞ」ではなく、「政治こそ、問題なんだ!」という声が出ているようだ。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com