Go to contents

[オピニオン]北朝鮮とフランスの医療の縁

[オピニオン]北朝鮮とフランスの医療の縁

Posted October. 30, 2008 09:19,   

한국어

00年の南北首脳会談後、欧州の国々が先を争って北朝鮮と外交関係を樹立したが、フランスはこれまで北朝鮮を外交的には承認していない。フランスの高官らは、「北朝鮮の劣悪な人権が障害だ」と話す。だからといって、両国にまったく交流がないわけではない。フランスは特に、北朝鮮首脳部のフランス遠征治療に以前から協力を惜しまなかった。94年には、呉振宇(オ・ジンウ)人民武力部長が肺がん治療のために、パリのラエネク病院に入院し、04年には金正日(キム・ジョンイル)総書記の夫人・高英姫(コ・ヨンヒ)氏が、パリで乳腺がんの治療を受けた。

◆「フランスの脳神経外科の専門医が、金総書記の治療のために平壌に向かった」というフランスの週刊誌ル・プワンの報道で、両国間の「医療協力」に再び関心が集まっている。先週、金総書記の長男・金正男(キム・ジョンナム)氏が、パリのある病院を訪れた事実からも、この報道が根も葉もない嘘だとは見えない。セントアン病院神経外科のフランソワ・サビエ・ル課長は、脳血管の疾患と脳腫瘍の治療の権威者で、8月にも北朝鮮の要請で平壌(ピョンヤン)を訪れたと、ル・プワン誌は伝えた。ル課長は29日、「北京に滞在している」とAFP通信に伝えたが、記事の真偽については確認を拒否した。

◆外交関係のない国家だとしても、その国の国民に人道的に医療を施すことはフランスの伝統だ。フランスは90年の湾岸戦争後、欧米がイラクに背を向けた時も、イラクの副首相を密かに入国させて診療した。批判が起こるとフランス政府は、「人道レベルでした措置だ」と一蹴した。北朝鮮がこれを知らないわけがない。フランス政府と病院側のセキュリティ管理も有名だ。筆者がパリ特派員の時、呉振宇部長を担当した医師と電話で話しをすることに成功したが、治療の状況については一言も聞くことができなかった。

◆ル課長は、金総書記の健康状態を追跡する各国メディアの取材リストの第一位に上がっている。情報機関もついて回るだろう。顔写真まで公開されており、記者をまくことも難しくなった。北朝鮮はその体制上、最初から外国には頼らない。最後になってフランスの病院に来た呉振宇部長と高英姫夫人は、病気を治すことができず、帰国してまもなく死亡した。ル課長が金総書記を治療していることが確かなら、病状も初期段階ではないと見ることができる。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com