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[社説]ドルを抱えている企業が為替市場の乱高下をあおる

[社説]ドルを抱えている企業が為替市場の乱高下をあおる

Posted October. 09, 2008 03:06,   

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前日66.9ウォンの急激なウォン安ドル高が進み、10年ぶりに1ドル=1395ウォンまで値上がりした。外国為替市場では取引量が少ないのにもかかわらず、為替相場が乱高下する弱点を露呈した。1日の平均取引高は1月=115億ドルだったが、為替相場が高騰した9月には80億ドルへと減り、今月は1月の半分である水準の55億ドルに止まった。市場は弱く、小口の買い付け注文にも為替相場が異常な高騰ぶりを見せる。

外国人の韓国内での株式保有は約30%で、エマージングマーケット(新興市場)では高いほうであるが、外国為替市場規模は相対的に少ないほうだ。1〜7月の外国人保有株式の規模対比為替取引量の比率は、フィリッピン=18%、インド=13.9%であるが、韓国は9.7%に過ぎない。このため、外国人の逆送金の需要があるたびに、為替市場では急激にウォン安ドル高が進む構造的な問題が繰り返されている。

最近、各輸出企業が市場へドルを手放さず、ウォン安ドル高に拍車を掛けた。今年に入ってから9月初頭にかけて、造船3社の船舶受注は370億ドルで、プラント設備を含めれば、昨年同期より減っていない。だが、船舶代金として受け取るはずのドルを先に売る先物為替の売りは大幅に減少している。

外国為替市場では、「各輸出企業は内心、急激なウォン安ドル高を喜んでいる」、「輸出代金を海外支社に溜めておいた大手企業もある」という噂が出回っている。企業の為替テクを全て投機とみなすことはできないだろうが、為替市場が崩壊寸前なのに、ドルを抱えていたり、ドルの買い溜めを行うなら、非難を受けて当然だ。政府は企業の環境改善に懸命を示してるが、各大手企業が自腹だけ肥やしていては、国民経済が沈みかねない。姜萬洙(カン・マンス)企画財政部長官が一昨日、国会で述べたとおり、投機的な取引で市場の混乱をあおる大手企業があるなら、探し出すべきだ。今月中の経常収支が黒字へと転換され、需給事情が改善されれば、為替相場が急落する可能性もあるので、個人もドルの買い溜めは控えるべきだ。

政府が保有するドルを市場へ流出する場合、投機勢力のみ得をすることもありうる。過度な口頭での介入は信頼を損ないかねないので慎むべきだ。輸入代金の決済や外貨融資返済のため、ドルが必要な企業にドルが入るように、銀行を通じて供給する案が望ましい。長期的には国民経済の安全を脅かす外国為替市場の弱点を改善し、外部変数に耐えるほど、市場規模を拡大しなければならない。