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[社説]中小企業、銀行の自主支援で「キコ」のワナから抜け出せるか

[社説]中小企業、銀行の自主支援で「キコ」のワナから抜け出せるか

Posted October. 02, 2008 08:48,   

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金融委員会(金融委)が昨日発表した「中小企業の流動性支援対策」は、黒字倒産危機に直面している中小企業を支援する対策だ。国策銀行からの新規融資が、4兆3000億ウォンであり、これとは別に信用保証基金などの保証限度も4兆ウォン増えることになる。今回の対策は、支援するかどうかを主取引銀行に任せ、更生できる可能性の高い企業に重点を置いて、支援するということが特徴だ。

従来のように政府が割り振らず、市場に任せる点では肯定的な側面もあるが、支援の効果がしっかり現れるかどうかは疑問である。米国での救済金融法案の処理が遅れ、国際金融市場では流動性確保に必死になり、各銀行も「自分の足元の火を消すのに精一杯」なのが現状だ。金融委では企業更生の際、銀行も利益が得られるように、新株引受権のような方式を導入し、「速やかに実施」するよう促しているものの、優良企業のみに支援が集中する可能性が高い。

為替ヘッジ向けの派生商品「キコ(KIKO=Knock-in Knock-out、オプション取引)に加入し、損失を被った企業では、政府の直接支援を期待していたため、落胆しているように見受けられる。キコは、為替相場が企業と銀行が契約を交わした下限線(ノック・アウト為替)以下へと下がれば、企業が利益を得ることになり、上限線(ノック・イン為替)以上へと上がれば、企業が契約金の2、3倍を指定した為替相場で、銀行に手渡さなければならず、大きな損失を被る構造となっている。

3月以後、ウォン安ドル高が急激に進み、キコに加入した417社の中小企業の被害は8月末現在、1兆2000億ウォン台に達している。ウォン安ドル高が、10ウォン進む毎に、被害は1000億ウォンずる増えることになり、「被害規模は2兆2000億ウォン」という言葉は、口先だけではない。企業はキコによる損失のため、格付けが悪化すれば、貸付金利が上がったり、貸付金の返済を求められたりすることになる。衝撃が長引くことを懸念する各中小企業は、政府がまとめた貸付転換のような支援も、あまり歓迎していないのが現状だ。

キコ被害の企業が倒産すれば、銀行も共に厳しくならざるを得ない。「キコの罠」は一部企業の投機的な取引もあるが、一部の銀行が見境なく勧めたことも、大きく影響していることが明らかになりつつある。銀行も中小企業の更生を積極的にするべきだ。政府は、現場で対策の効果が最大限現れるよう、積極的に気を配らなければならない。