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[オピニオン]「熱血国民」

Posted August. 30, 2008 03:26,   

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ろうそくデモが盛んだった時、帽子を深くかぶり、マスクで顔を覆ったデモ隊が、警察に鉄パイプを振り回し、飛び蹴りをする場面が、しばしば目撃された。彼らは、警察が本格的に鎮圧を始める前にそっと姿を隠しては、次のデモでまた現われた。一部は、警察を向かってパチンコ銃を撃った。9日、ソウル明洞(ミョンドン)聖堂付近で起きたデモで、彼らは塩酸が入ったドリンク剤のビンを警察官に投げつけた。やけどを負わせ、失明の危険がある濃度の塩酸だった。

◆警察に捕らえられた金某容疑者(45)ら6人は、大半が住所不定、無職だった。デモの現場で知り合ったという彼らは、6月に「熱血国民」という組職を作り、会長、顧問、参謀、スポークスマンなどの役割を担い合った。恐喝、詐欺、暴力などの前科もある彼らは、警察の捜査に備え、互いを「浅はかな奴」、「新月洞(シンウォルトン)ヘルメット」などのニックネームで呼び合うほど用意周到だった。警察に検挙されれば、「ハンナラ党やニューライトが金を渡して、暴力デモを助長するように言った」と供述するよう事前に口裏を合わせていた。「狡猾な馬鹿ども」だ。

◆警察は、彼らが社会に対する不満から暴力デモを起こし、「世間と裕福な人たちに頭にきて、デモに加わった」と供述したという。フランスでは、労組や学生たちの平和的なデモにこっそり割り込んで暴力を振るう社会不満勢力を「破壊者」という意味の「カスール(casseur)」と呼ぶ。彼らは、自分たちの過ちと不幸をすべて政府や社会のせいにする。雇用を十分に創出できない国家と不十分な社会セキュリティーネットにも、ある部分責任があるだろう。だからといって、人生の「自己責任」が完全に免除されるわけではない。

◆「熱血国民」は、「強硬派だが、活動費を助けてほしい」と言って、デモ参加者たちから受けた金を、デモ用品や食事代にあてる。一部のろうそくデモ参加者は、彼らに「苦労している」と言って食事や酒、タバコを与えたという。このような人々が横行する空間をつくり、後ろにさがって、最近は曹渓寺(チョゲサ)に隠れて過ごす「狂牛病(BSE=牛海綿状脳症)対策会議」の主導者たちがより問題だ。与党ハンナラ党は、デモ現場で覆面を着用すれば処罰できるよう集示法を改正する計画だ。健全な平和デモを保護するためにも、検討の価値がある。

権順沢(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com