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[オピニオン]Aのばら撒き

Posted July. 24, 2008 09:09,   

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就職難の時代に、成績にこだわる学生たちが多くなったことを受け、教授らの「成績基準」も甘くなった。これを防ぐため、学生たちの点数を入力すれば、定められた割合に合わせて成績が割り当てられる自動相対評価システムを採用した大学が多い。ここにも盲点はある。全受講生を同点処理すれば、コンピュータープログラムが弁別できず、みな同じ成績を取得することになる。

◆ソウル市教育監の選挙候補である建国(クォングク)大学の朱𨯁福(チュ・キョンボク)教授が、この盲点を突き、今年1学期に2科目の受講生全員にAをつけたそうだ。「成績Aは、受講生の35%以下、AとBを合わせて70%以下にする」という学則に反し、教学実務室から注意された。朱教授は、「共同レポートを作成する授業であり、学生たち全員がよくできたからだ」と釈明したといわれているが、そもそも講義計画そのものに問題がある違いない。もっとも大きな被害者は、人より一生懸命勉強した学生たちだ。朱教授の「平等な最高成績」は、学生たちの競争心と達成動機を弱体化させ、結局実力のある人材排出に逆行してしまう。

◆ある大企業の人事担当者は「成績Aのばら撒きで、学生たちから目先の人気を集めることはできるかもしれないが、就業市場で該当学校の卒業生らに対する信頼は低下してしまうということに気づくべきだ」と指摘した。「平等」を口にする教授が、格好よく見えるかもしれないが、学校と学生たちの将来は暗くなる。経済協力開発機構(OECD)は、昨年「フランスはもはや創出をリードする国ではない」と評価した。平等だけを強調したあまり、高熟練の人材を育めなかった「下方平準化(低い方向への平準化)教育」が最大要因としてあげられる。

◆全国教職員労働組合と全国民主労働組合総連盟、一部左翼マスコミの支持を得ている朱教授は、学力診断評価、教員評価など教育評価に反対する。すべての学生にAをつける朱教授の「全員優等生」平等主義と一脈通じるものがある。昨日発表された韓国ギャラップと朝鮮(チョソン)日報の世論調査結果によると、回答者の65.4%が教員評価制度に賛成している。評価がなければ刺激されず、教職を単なる楽で安定した職業としか考えない教師が、多くなることに対する教育消費者らの懸念は根強い。また、朱教授は世論調査結果、多数の学生と父母が望む学校選択制をはじめ、自立型私立校の設立中止、特別目的高校の新たな設立への反対など、「平準化教育の徹底化」も訴えている。平準化ではなく、平鈍化を望むのではないのだろうか。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com