金鋼山(クムガンサン)で観光客が射殺された事件が北朝鮮側の過失または過剰対応によるものである可能性が高いことを裏付ける証拠が相次いで出ている。
15日、統一部や現代峨山(ヒョンデ・アサン)などによると、北朝鮮の軍人が故・朴ワンジャ氏に銃撃を加えたのは、南北間合意書は勿論、北朝鮮内部の法規にもそぐわない措置であることが確認された。
北朝鮮最高人民会議常任委員会が02年11月制定した「朝鮮民主主義人民共和国・金剛山観光地区法」28条は、「同法を破って観光地区の管理運営と観光事業に支障をもたらした者に対しては、損害補償のような制裁を加えることができ、情状が厳重な場合、追放することができる」と定めている。
同法19条には、△観光と関連のない対象を撮影してはならない、△観光地区管理機関が決めた立入禁止または立入制限区域に入ってはならないなどの金鋼山観光客遵守事項が明示されている。
観光客が北朝鮮側の軍事境界地域に入ったとしても、同法によれば、損害補償または追放措置をすれば済むことになる。
最高人民会議常任委員会が04年4月29日に制定した「金剛山観光地区の立入・滞留・居住規定」も観光客の人身不可侵権を保障している。
政府のある当局者は、「北朝鮮側がもし朴氏が軍事境界地域に立ち入ることを適時に阻止しなかったら、明らかな過失であり、もし身分を知った上で銃撃を加えたとしたら、深刻な過剰対応だ」と述べた。
これと関連し、事件が発生した11日、北朝鮮側が現代峨山に初めて知らせた銃撃の経緯や時間などがウソである可能性が高いという疑惑も膨らんでいる。
北朝鮮側の説明の要旨は、「軍事境界地域に入ってきた朴氏に止まるように要求したが、朴氏が金鋼山海水浴場の方へ1キロ程、逃走したために発砲し、その時間は午前5時だった」というものだ。
しかし、12日に発表された北朝鮮側の名勝地総合開発指導局の談話には、「1キロメートルの追撃」という内容も抜け、発砲時間も10分繰り上げた「午前4時50分」に変えられた。
ある北朝鮮専門家は、「北朝鮮側の兵士らが自分たちのミスなどを隠すため、偽の報告をした可能性も排除できない」と述べた。
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