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[オピニオン]李錫行のストのモデル

Posted July. 02, 2008 08:19,   

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全国民主労働組合総連盟(民主労)の李錫行(イ・ソクヘン)委員長は今年2月、米労働界と協力して、韓米自由貿易協定(FTA)の反対闘争を展開するためワシントンを訪れた。米労働組合総同盟—産業別会議(AFL−CIO)のジョン・スイニ委員長と会談した李委員長は、二つの団体が韓米FTAの批准阻止のため、全力を傾けることに合意したと発表した。この時点で李委員長は再度米国に渡り、スイニ委員長と2回目の会談を行うべきだ。李委員長の主張通りなら、米国産牛肉の安全性が「労働界最大の懸案」となったので、当然、米労働界とも力をあわせるべきではないか。

◆民主労総は米国産牛肉の輸入反対などを掲げて、今日、ゼネストに入る。労働関係法は賃金などの労働条件とは関係のない政治ストを不法と規定している。李委員長は、「BSE(牛海綿状脳症)の牛肉で労働者が労働力を失い、給食を食べた子供たちに万が一のことがあれば、賃金に膨大な損失を招くことになるが、これがどうして労働条件と関係がないといえるのか」と主張する。李委員長が連帯の相手にしている米労働者たちは米国産牛肉で作ったステーキを常に食べている。30ヶ月以上の牛肉も入ったハンバーガーは彼らの定番の昼食メニューだ。米国の労組が自分の組合員の命と直結する問題を見過ごしているなら、それを気づかせるのが、韓国労働団体の役目であり道理ではないか。

◆李委員長は、「生産には打撃は与えるものの、国家経済に及ぼす影響は最小限にとどめる方向で、ゼネストの闘争を展開する」と話した。ストで工場の機械が止まれば、国家経済に膨大な被害を及ぼすことは常識だ。「経済に及ぼす影響を最小限にとどめるスト」が現実で可能だということを、李委員長が立証できれば、ノーベル経済学賞すら受賞できるだろう。しかし、詭弁はあくまでも詭弁だ。李委員長は不法的な暴力政治闘争へと変質したロウソクデモについて、「純粋さや情熱、非暴力、平和のろうそくの4つの精神は今も有効であり、われわれも徹底にそれに従っている」とさらにきおい立つ。

◆李委員長は新年の記者懇談会で、「国の信頼度をぐんと下げる闘争を展開する」と述べており、牛肉と関連したストの宣言の時は、「野球試合をするよう、逐次ストに突入する」とも語った。病み付きのスト病だ。見るに見かねず、韓国労働組合総連盟のチャン・ソクチュン委員長は、「民主労働はゼネストの万能主義に陥っている」と話しただろうか。

朴元在(パク・ウォンジェ)論説委員 parkwj@donga.com