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[社説]北朝鮮の核廃棄、まだ入り口にも達していない

[社説]北朝鮮の核廃棄、まだ入り口にも達していない

Posted June. 27, 2008 03:14,   

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北朝鮮は26日、核計画の申告書を提出したが、核兵器の現況は含まれていなかった。にもかかわらず米国は、北朝鮮のテロ支援国家指定解除を議会に通告し、対敵通商法適用終了に向けた手続きに入った。27日には、寧辺(ヨンビョン)で原子炉の冷却塔の爆破が行なわれる。米国と北朝鮮が、「行動対行動」の原則によって一歩ずつ前進したとも言えるが、最終目標である核廃棄は依然として不透明だ。「冷却塔爆破ショー」に気を取られ、事案の本質を見逃してはならない。

何回も約束を破った北朝鮮の前歴が、憂慮を抱かせる。北朝鮮は、米国との94年の米朝枠組み合意を破って密かに核開発を続け、核危機を招いた。核廃棄を話し合う6者協議をあざ笑うかのように、一昨年の10月には核実験まで行なった。核計画の申告も、昨年末までに実施するという約束を半年が経過しても守らなかった。

北朝鮮が申告したプルトニウムの生産量も、30キロを少し超えた水準で、米国の推定値である最高60キロの半分にしかならない。検証を通じて隠蔽がないか確認するまでは、核問題の解決に役立つと即断することはできない。ライス米国務長官は、テロ支援国家指定解除が確定するまでの45日間の徹底した検証を強調し、「北朝鮮の協力が不十分だと判断すれば、適切に対応する」と約束した。米国国内の強硬派を意識した発言だというが、その意志を信じたい。北朝鮮の申告が正確でないことが明らかになれば、米政府は特段の措置を取るべきだ。

プリチャード元朝鮮半島平和担当特使は、「北朝鮮は、今後推進される核廃棄3段階で軽水炉の提供を受けるという条件で、寧辺核施設だけを解体する計画だ」と伝えた。北朝鮮が核計画の申告で核兵器の詳細を明らかにしないことが、これと無関係ではないと思われ、疑念を抱かせる。

6者協議の目標は、核の完全な廃棄だ。北朝鮮の宣伝術にだまされ、核廃棄が可視化していないのに、警戒を解いては困る。すでに無能力化された寧辺核施設の爆破イベントと核兵器が抜けた核計画の申告は、核廃棄までまだ遠い道のりが残っていることを認識させるにすぎない。