Go to contents

[オピニオン]LGとGE

Posted May. 31, 2008 03:15,   

한국어

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は、1989年発明王のトーマス・アルヴァ・エジソンが設立したエディソン・ゼネラル・エレクトリックが母体だ。電機・電子分野からスタートしたが、今では金融・発電設備・医療装備・航空機エンジンなど、ほぼすべての業種を手がけている世界最大手の企業である。19990年代当時、GEの革新をリードしたジェック・ウェル元会長の成功事例を見て、韓国の財界に「GE見習い」ブームが起こっていた。LG電子の役員たちは、クロトンビル研修所に足を運び、「6シグマ」」のようなGEの革新プロセスを懸命にベンチマーキングした。

◆GEが家電事業部を手放す方針を固めたことを受け、LG電子の迷いも深まっている。GEの家電事業部は、冷蔵庫・クーラー・食器洗浄器といった白物家電が目玉製品であり、昨年の売上高は70億ドル(世界10位)だった。ところが、米国市場では20%のシェアでワールプールに次いで2位だ。世界家電業界で売上高3位のLG電子(126億ドル)が、GEの家電を買収すれば1位のワールプール(194億ドル)を抜き、一気にトップになれる。米国の消費者たちに馴染むGEを買収したということだけでも、ブランドの認知度がアップするメリットもある。

◆LG電子の南饁(ナム・ヨン)副会長が27日、「GEの売却状況を真剣に見守っている」と語るや、来韓しているGEのジェフ・R・イメルト会長は翌日「(買収候補のうち)LG電子がもっとも有利な状況だ」と積極的に働きかけている。しかし、LGはGEが差し伸べた手をなかなか掴めずにいる。50億〜80億ドルと推定される買収費用も馬鹿にならないものである上、両社の製品が多く重なるためシナジー効果が大きくないおそれもあるからだ。だからといって、ライバル業者の動きが気になるため、最初から買収を諦めることもできない。

◆GEが家電事業から手を引くことに決めたのは、全体売上高に占める比重が小さい上、米景気の低迷から収益が悪化する可能性が大きくなったためだ。該当市場で1位や2位になる見込みのない分野は、思い切って市場から撤退させ、発展の可能性の高い中核分野に集中するというのがGE式経営なのだ。LG電子も家電に投資しすぎれば、有望な新規事業の進出に支障をきたすのではと心配している。徹底的な損得計算と成長性に対する判断が最大の物差しになる。かつて経営戦略で一目置いていたGEが買収を持ちかけているからといって、諸手をあげて歓迎してその手に乗るわけには行かないのがビジネスの世界だ。

朴元在(パク・ウォンジェ)論説委員 parkwj@donga.com