Go to contents

[オピニオン]陸士の三禁

Posted May. 30, 2008 03:01,   

한국어

陸軍士官学校(陸士)のホームページの「よくあるQ&A」のコーナーに入れば、「三禁制度ってなんですか?」という質問がある。「よくある質問」として区分して掲載するほど、陸士への入学を志願する人たちには欠かせない関心事だ。答えはこうなっている。「三禁とは、1951年から行われてきた陸士の伝統です。清らかな修業の気風の維持や節制、克己の美徳を身につけるための事項で、禁酒や禁煙、禁婚を指します」。

◆1951年なら、韓国戦争が起きた翌年で、1947年に創設された旧制の陸士が廃止され、4年制の「正規陸士」の時代が幕開けした時期だ。さらに、全斗煥(チョン・ドゥファン)や盧泰愚(ノ・テウ)元大統領をはじめとした陸士11期生たちが入学した年でもある。11期は、「我々こそ真なる陸士1期だ」と自負するほどプライドが高い。陸士の伝統であり、象徴ともなっている禁酒や禁煙、禁婚の3禁規定が、この時から始まったことが興味深い。陸士は3禁を破れば直ちに退学させられる。海軍士官学校や空軍士官学校にも3禁規定はあるものの、4年生2学期以後、特別なケースに限っては婚約を認めており、陸士ほど厳しくない。

◆国家人権委員会が一昨日、「生徒の名誉権や幸福追求権、プライバシーの秘密や自由などを侵害した」として、休学や休暇期間には3禁を適用せず、特別な事情のある場合は、結婚を認めるように軍への勧告を行った。実は、3禁は伝統と現実の間で、たびたび議論を招いてきた。特に自分や同僚の違反事実を、「良心を持って報告」するようになっているルールのため、多くの生徒が心理的な葛藤を経験しているという。「生徒はうそをつかず、人をだまさず…、同僚のそのような行動を許してもいけない」という、米ウェストポイントの「生徒名誉規定(Cadet Honor Code)」をまねしたようだが、それを酒やタバコに適用しようとしたため、人の服を借りて来たかのようにまったく似合わない。

◆国家人権委員会の勧告にもかかわらず、3禁制度は直ちには直されそうにない。03年も生徒たちの飲酒問題が相次ぎ、学校内に居酒屋をオープンするなど、それなりの改善策を図ってきたものの、陸士の元老たちの反対であきらめざるを得なかった。しかし、1998年、数十年の伝統を破って、女子生徒の入学を認めたように、いつかは3禁もなくなるだろうという見方が多い。

金昌赫(キム・チャンヒョク)論説委員 chang@donga.com