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[社説]「メディカル立国」を提言する

Posted May. 21, 2008 07:29,   

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2月、アルジェリアとフィリピンの医療観光団が大邱(テグ)のある病院で、整形手術を受けて満足げな顔で帰っていった。この観光団の施術体験は、地元のマスコミを通じて大々的に報道され、韓国の医療大国としてのイメージを高めた。続いて、3月から5月まで中国、英国、ルーマニアの医療観光団が大邱を訪れた。彼らは医療費用だけでなく、観光とお買い物にも財布を開いた。釜山(プサン)市はおととい、クルーズ・海洋・文化・自然生態体験・コンベンション・買い物の「6大戦略観光名品」を発表し、医療を含ませた。病院が密集している海雲台区(ヘウンデグ)や釜山鎭区西面(プサンジング・ソミョン)などに医療サービス特化地区を運営するということだ。

高齢化社会では保健医療サービスが成長産業であり、世界化の時代には観光が成長産業だ。この接点に医療観光産業が存在する。手際の良い韓国の医者らは、外科・歯科・診断検査の分野で世界最高の腕前を誇る。医療産業に対する価格統制政策のため、値段も安い。医療観光大国としての潜在力が十分あるというのだ。韓国観光公社が最近、ロシアの極東地域の住民を対象にアンケート調査を実施したところ、80%が韓国へ医療観光に行く意向があると答えた。

医療観光は観光客を誘致する一方で、病院の収益も上げられるドル箱産業だ。李明博(イ・ミョンバク)大統領が医療産業を新成長エンジンにすると言ったのもそのためだ。だが、先に進むのは民間の病院と、大邱や釜山のような地方自治体だけだ。医療観光のインフラを造成し、規制を撤廃すべき中央政府と国会はかえって足を引っ張っている。

すでにたくさんの国が医療観光で経済跳躍の土台を整えている。タイはホテル並みのサービスと施設を兼ね備えた病院と留学して学んできた医療陣に加え、最高の観光資源を合わせて、昨年だけで150万人の患者を誘致した。欧州では、ハンガリーとポーランド、中東ではレバノンとドバイが医療観光のハブ地だ。ハンガリーの「歯科観光」は世界的にも有名で、西欧は勿論、米国からも患者が訪れる。ハンガリーの歯科観光は、サービス収支の黒字に大きく貢献している。

韓国は、高い医療水準と価格競争力にも関わらず、医療観光は始まったばかりである。昨年、645万人の外国人観光客のうち、医療観光客は2万人に過ぎなかった。マーケティング不足、コミュニケーションの不便さ、医療事故関連法制度の不備、患者および保護者に対するビザの発給なども問題だが、外国患者の誘引や斡旋を禁止している医療法が一番大きなハードルだ。政府と国会は医療観光の法制度的な障害を取り除いて、医療観光が新成長産業として定着できるように支援しなければならない。「メディカル立国」、一度やってみよう。