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[オピニオン]生活必需品の価格安定

Posted May. 02, 2008 03:06,   

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梁貴子(ヤン・グィジャ)氏の小説『遠美洞(ウォンミドン)の人々』で、登場人物のキョンホの家庭は「金浦(キムポ)の米屋」を営みながら貯金に励み、やがて「金浦スーパー」をオープンさせる。すると、近所の金班長の家族が営む「兄弟スーパー」も、米や練炭を売り始め、値下げ競争が繰り広げられるようになる。その結果、安価で物を買えるようになった町の人たちは、意気揚揚と喜んでいる。そんな中、金浦スーパーと兄弟スーパーの間に、「新鮮な果物屋」ができ、惣菜や海苔まで売るようになった。キョンホのうちと金班長のうちは同盟関係を結び、新鮮な果物屋に対抗する。

◆デパートや大手スーパー、町の小売店が「遠美洞の人々のように」競争を繰り広げれば、物価が下がりかねない。2月末、値上がりする小麦粉の価格にあわせて、製造メーカー同士がラーメンの価格を値上げするなか、ホームプラスは自主ブランドのラーメンの価格を平均、20%も下げた。目玉商品戦略とも言われている。ホームプラスにラーメンを買いに立ち寄ったついでに、ほかのものも一緒に買う消費者も多いだろう。米国の流通業界では、革新競争が激しく行われている。米国では、小さな街でも、品目ごとに品揃えが整っている大手スーパーがある。山間のスーパーと大都市のスーパーとの物の価格もそれほど差はない。庶民の生活必需品を安価で供給する米国流の流通の力だ。

◆4月の消費者物価が1年前に比べて4.1%、生活物価指数は5.1%も上がった。李明博(イ・ミョンバク)大統領が約一ヶ月前、生活必需品の価格を安定させるように指示すると、ラーメンや焼酎、塾への利用費、携帯電話の通信料など、「52の生活必需品のリスト」が作られた。全体世帯の下位40%を占める月所得が247万ウォン以下の庶民階層が頻繁に購入し、支出割合の高い品目だ。4月はこれらのうち41品目の価格が値上がりした。さまざまなサービス料金も高騰している。財布が軽くなった庶民は、今月、相次ぐ連休に、家族総出の行楽も負担になるぐらいだ。

◆一部ではかつての物価統制の方式が出されるのではないかと懸念されているのに対して、大統領府では、「統制できる環境でもなく、すべきことでもない」と述べ、「ただ、現実に適した管理を行うつもりだ」と明らかにした。割り当て関税の引き下げで供給問題を緩和し、コストの引き上げ分よりさらに値上げしたり、買占めできないようにするという意味だ。韓国銀行の正門をくぐると、「物価安定」というスローガンが張られている。しかし、物価の安定は韓国銀行のみではやりづらい。庶民の生活必需品の「流通革命」が求められる。

洪權熹(ホン・グォンヒ)論説委員konihong@donga.com