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[オピニオン]「ナイトホーク」の退役

Posted April. 24, 2008 05:04,   

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空中戦で、先に敵を発見し、撃ち落とすことができるなら、勝負は終わる。その夢を戦闘機開発で実現したのがステルスだ。ステルスは、レーダーに探知されにくくするための軍事技術である。敵のレーダーが出した探知センサーを戦闘機の表面で吸収したり反射したりして、撹乱を起こす。同技術は、ベトナムや中東戦争で苦戦した米国の主導で、1970年代半ばから極秘裏に開発されてきた。

◆米国が初の作品として、82年にF117Aナイトホークを空軍に配置した。しかし、F117Aが初めて姿を現わしたのは、6年後の88年だった。その間、形や威力などは一切秘密にされた。このステルス機は、3年後の91年の湾岸戦争で、恐るべき威力を発揮した。約40機のF117Aが、「砂漠の嵐」作戦初期に、イラクの防空網をかいくぐり、3日後には主要基地の80%以上を破壊した。一発のミサイルや銃弾も受けなかった。

◆F117Aが21日、26年の活動をもって退役した。最後の飛行をしたマイケル・ドリスコル大尉は、メディアとのインタビューで、「最も華やかだった瞬間は、昨年、北朝鮮の上空で金正日(キム・ジョンイル)政権に対し、武力デモをしたことだ」と話した。F117Aの退役は、ステルス分野でF22ラプターが2010年以降まで単独で活躍することを予告する。空戦闘能力に優れたF22は、04年から米空軍に配置された。今や「第5世代戦闘機」であり、「最後の戦闘機」と言われる最先端F35ライトニングⅡの時代が迫っている。米ロッキード・マーティン社を中心に、9ヵ国が共同開発中だ。

◆日本は、100台のF22の導入を米国と交渉中だ。中国も、ステルス技術の開発に熱を上げている。北朝鮮の核およびミサイルも、依然として脅威だ。やがて北東アジアの国々の空軍力に深刻な不均衡が招来される可能性がある。ステルスはステルスで対処しなければならない。問題は、どの国も同技術を厳格に極秘管理しているという点だ。F22やF35の導入検討のほかに、韓国自らが技術開発に乗り出さないなら、10年から20年後には「安全保障の劣等生」に転落するかもしれない。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com