Go to contents

[オピニオン]沿海州の食糧基地

Posted April. 17, 2008 04:48,   

한국어

農林水産食品部傘下、国際農業開発院の李秉華(イ・ビョンファ、63)院長は、海外食糧基地化の先駆者だ。専門的な農業者でもある李院長は20数年前から、「ロシアの沿海州を韓国の食糧基地として開発すべきだ」と叫んできた。1989年、旧ソ連大統領の「極東ロシア地域の農業経済諮問団」として招かれたことがきっかけとなった。韓国もいつかは食糧危機を迎えるだろうと予測した李院長に、沿海州は最適の土地だった。

◆そこは、土地の85%が平坦な丘陵地帯であり、日射量も豊富な恵まれた農地だった。さらに、韓国の1.6倍の面積に人口わずか200万人、農地のほとんどを外国人や外国企業に50年の長期にわたって貸していた。当時から、李院長は暇さえあれば、「沿海州で農業をやろう」と主張して回った。これまで沿海州を訪れた回数だけでも134回にのぼる。最初は、皆があざ笑った。米が余っているのに、何のために沿海州まで出向かなければならないのかという反応だった。

◆しかし、今は違う。現代(ヒョンデ)重工業やナムヤンアロエ、ハリム、大巡真理会、北東アジア文化交流協会のような企業や宗教、文化団体が沿海州に進出し、韓国の農地の6分の1、ソウル市の総面積の7倍にのぼる30億平方メートル(約9億坪)で農業を営んでいる。生産された米も無公害で、「ヘルシー米」として人気が高い。北朝鮮への支援用として28回も提供された。李院長は、農場のスタッフとして現地のロシア在住コリアンや北朝鮮の労働者を共同で使う案が適切だと見ている。沿海州は1937年、スターリンがコリアン17万3000人余りを中央アジアに強制移住させる前までは、人口の70%がコリアンだった。今は北朝鮮の労働者が多く入植している。

◆李明博(イ・ミョンバク)大統領も一昨日、米国に向かう飛行機の中で、海外食糧基地として、沿海州を取り上げた。正しい指摘だと李院長は語る。沿海州はすでに食糧基地としての条件を十分備えているということだ。現地で生産される大豆や小麦だけでも韓国の不足分を補えるレベルだという。ただし、200〜400%にものぼる穀物関税は問題だ。李院長は、「自国の資本や労働力を投入した海外農業基地の穀物に関税を課す国は韓国だけだ」と語る。一人の農業先駆者が可能性を見い出した海外食糧基地は、世界的な食糧危機の中の韓国に降り注ぐ一筋の光のようだ。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com