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「明日の新興市場」中東6ヵ国に世界の資本が注目

「明日の新興市場」中東6ヵ国に世界の資本が注目

Posted April. 15, 2008 03:08,   

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「湾岸地域は明日の『エマージング・マーケット』だ」

金融コラムニストのジェーン・ブライアント・クィーン氏は、ブリックス(BRICsブラジル・ロシア・インド・中国)、東南アジアに続き、湾岸地域の6ヵ国がエマージング・マーケット(新興市場)として台頭するだろうとの見通しを示した。クィーン氏は米紙ワシントンポストやニューズウィーク誌、MSNBCなど、様々なマスコミで活動する財テク専門家だ。

同氏が13日、ワシントンポストに寄稿したコラムで「チャンスの天地」として取り上げた新興6ヵ国はバーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)で、いずれも湾岸協力会議(GCC)の加盟国。

サウジを含む一部の国は、外国人の株式保有制限を緩和するなど、資本市場を開放している。これを受け、米国のミューチュアルファンドである「Tロウ・プライス」が昨年9月に中東ファンドを発売するなど、同地域に対する全世界の投資家たちの関心も高まっている。

最近GCCが域外国家としては初めてシンガポールとの自由貿易協定(FTA)交渉に乗り出したのも、中東から抜け出そうとする試みと受け止められている。

これらの国々が新たな投資先として注目を集めるようになったのは、産業の多角化とイメージチェンジを図ってきたことに負うところが大きい。かつては、湾岸地域と言えば、石油、砂漠、ラクダ、戦争などを連想する人が多かったが、今ではそのイメージを一新したとクィーン氏は指摘する。

UAEのドバイやアブダビに世界的な高層ビル、高級ホテル、ゴルフ場、ショッピングモールなどができ、中東のイメージも現代的なものに変わった。

クィーン氏はまた、アラブ諸国は保守的で、宗教的な色彩も濃いが、GCCメンバー国には「コスモポリタン(世界的な)」文化や商業的な現代化が目立つと分析する。

これらの国々は、莫大なオイルマネーを若年層の雇用創出と先端技術産業に投資し、石油枯渇に備えている。アブダビの場合、グッゲンハイム美術館とヌーヴェル博物館の分館を誘致しており、各種の公演会場を建設するなど、文化芸術分野の育成にも積極的に力を入れている。

このような取り組みが実を結び、ドバイなどの湾岸諸国はすでに観光と金融の中心地として脚光を浴びている。大型ファンドの主要投資基準になっているモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)指数が、06年からGCC指数を別途設けるくらい、世界の株式市場ではこれらの国々に注目している。

もちろん、これら湾岸諸国の株式市場は浮き沈みが激しく、投資の安全性を憂慮する向きもある。サウジを除いた5ヵ国の株価は、05年には過熱気味だったが、06年に暴落した後、昨年再び40%近くまで急騰した。

しかし、この地域に対して「安定的で安全な投資先」と期待を抱いている投資専門家が依然として多く、クィーン氏は「今後25年間は世界のマネーが湾岸地域に集まるだろう」との見通しを書いている。



surreal@donga.com