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小学生拉致未遂を「暴行事件」に処理 警察に非難殺到

小学生拉致未遂を「暴行事件」に処理 警察に非難殺到

Posted April. 01, 2008 06:09,   

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●捜査本部に非難の電話殺到

26日に最初の通報を受け、事件の現場に出動していた一山(イルサン)警察署の大化(テファ)地区隊(以前の派出所)には同日、市民からの電話が殺到した。

出動隊員たちが、防犯カメラを確認せず、一山警察署に「単なる暴行事件」と報告書を提出するなど、初期捜査のずさんさが露呈したため、市民は大化地区隊に怒りの矛先を向けている。

大化地区隊の関係者は、「朝から数百本の抗議電話が来ている。抗議電話の処理に追われ、日常の業務ができないくらいだ。地区隊から初期捜査のまずさが浮き彫りになったことから、今回の事件にかかわった警官はみな首にすべきだという電話も数本あった」とため息をついた。

地区隊と一山警察署に抗議電話をかけた人のほとんどは主婦だった。

小学生の娘を持つある主婦は、「このごろの警察の働きぶりは、遺体探しが本来の仕事とでもいわんばかりだ。人が死んだり、事故が発生した後になってようやく動き出すのが警察なのか」と声を荒げた。

事件が発生したマンションに住むチュ某氏(38・女)も「娘を持つ立場なら、誰でも拉致や性犯罪に敏感にならざるを得ない。警察官たちにも娘がいるはずだが、ヘジンとイェスルのほかにまた新たな被害者を作るつもりなのか」と憤りをぶつける。

警察の関係者は「有無を言わせぬ言い方で激しい非難を浴びせる電話が大部分だ。警察の事なかれ主義がもたらした事件であるだけに弁明の余地がない」と述べた。

●「一線の警察(の綱紀)があまりにも緩んでいる」

李明博(イ・ミョンバク)大統領は同日午後、一山警察署を突然訪問し、李起泰(イ・キテ)署長などから「(現場で)暴力事件と勘違いして事件の処理が遅れた」という報告を受けた後、「幼い女児を対象にした事件を暴行として取り扱ったのは常軌を逸するものだ。これは事件を簡単に済まそうとする警察の(甘い)措置」と厳しく批判した。

李大統領は「一線の警察は依然として命の尊さをおろそかにしている。事件が発生するたびに被害につながるなど、いつも警察の対応が後手後手なので、このままではだめだと思って(私が直に)駆けつけてきた次第だ」と指摘した。

続いて「皆さんがこのような状態で、幼い子供を持つ国民がどうやって(安心して)生きることができるというのか」「どうしてこんなにいい加減なのか」と相次いで叱咤した後、「何が何でも犯人を早く掴まえるように」と指示した。

李大統領は警察署を訪問している間、終始厳しい表情を崩さず、李署長は李大統領の指摘に「申し訳ございません」と謝罪した。

●捜査は足踏み状態

魚清秀(オ・チョンス)警察庁長まで同日午後捜査本部を訪問したが、警察の捜査は捗らずにいる。

一山警察署は、同日警察300人あまりを投入し、聞き込み捜査を行い、前科者調査などを通じ、容疑者の身元の特定に乗り出した。

警察は、事件現場から科学捜査チームが採取した指紋も鮮明でないため捜査が難航していると説明した。

また、事件発生日である26日、顔と服装が容疑者に似ている男を見たという目撃者の供述を確保し、捜査中であるという。

事件の発生現場から5分あまりの距離のマンション団地に住む女教師A氏は「26日午後9時ころ、マンションの玄関前で、容疑者似の不審な男が脅すように近寄ってきたが、隣人たちの助けを得てかろうじて逃げることができた。服装と髪型が、テレビで見た人と似ていたのでなお驚いた」と話した。

一方、警察は拉致未遂事件を単なる暴行として報告し、三日後になってはじめて監視カメラの画面を確保するなど、一連の捜査体制の不備について自主的に監察を行っている。