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北朝鮮の挑発メッセージ、中央政権の危機感見え隠れ

北朝鮮の挑発メッセージ、中央政権の危機感見え隠れ

Posted March. 29, 2008 08:19,   

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北朝鮮が27日、開城(ケソン)工業団地から韓国政府の当局者を追放し、28日には西海(ソヘ)上にミサイルを発射したことを受け、南北関係は急速に冷え込む兆しを見せている。しかし、北朝鮮の内部事情からすると、南北関係が冷え込むほど不利な方は北朝鮮だと言える。

ここに来て、一糸乱れずの様子を見せていた北朝鮮体制で地方機関が中央の指示に逆らう異例の事態が起きるなど、当局の危機感が高まっている。それにも関わらず、北朝鮮が韓国に向かって挑発的なメッセージを送る理由は何だろうか。

▲地方から無死される中央を無死する地方〓北朝鮮の住民は、今年が食糧難が最も厳しかった1996年ごろと酷似していると話している。食料価格も今月中旬、昨年末より60%以上値上げした。このような状況で、一線で住民を統制する地方機関が現実性の乏しい中央機関の指示を無視する現象が最近頻繁に起きている。

昨年10月、中央政府は49歳以下の女性を農民市場から追い出せという指示を下したが、これをきちんと執行する地方機関がなかったばかりか、かえって取り締まりに対する住民の抗議に屈服する現象まで現れている。

対北支援団体の「良き友だち」は最近、消息誌を通じて、今月5日に咸慶北道清津市(ハムギョンブクド・チョンジンシ)で、女性約1万人が農民市場に出て、取締りに強く反発すると、地方政府が中央政府の指示も受けないまま、女性らの要求条件を取り入れたと伝えた。

各地方は決められた税関を通じてのみ貿易できるという今年初の指示も、ドル使用を禁じるという昨年1月の指示も全く執行されていない。毎年、各家庭の税外負担を無くせという指示が出されるが、下部機関に来ると、うやむやになってしまう。

▲北朝鮮のメッセージの真意は?〓このような状況で、韓国側が支援していた数十万トンのコメと肥料まで支援してもらえなくなると、住民をなだめる手段が無くなる中央権力はさらに肩身が狭くなるしかない。

もうすぐ農作業のシーズンが始まるのだが、毎年支援されてきた韓国側の肥料が来るというニュースもない。早くも食料が底をついて働きに行かない農民が増えているという話も聞こえてくる。

このような切羽詰った状況で、李明博(イ・ミョンバク)政権のずいぶんと変わった態度が、北朝鮮の強硬な対応をもたらしたものと見られる。特に、北朝鮮は今年初め、李大統領の就任式に当局者らを使節として送ると声をかけるほど、それなりの破格的な誠意を見せたが、李大統領が断ったため霧散した。自尊心の強い北朝鮮としては相当な屈辱感を感じたはずだ。

しかし、北朝鮮が開城工業団地の閉鎖といった極端な手を取る可能性は高くないようだ。中央の統制力が前と比べてかなり弱まっている状況で、約2万3000名が働いていて、実質的に開城市を食べさせている工業団地を閉鎖すれば、世論が取り返しのつかないほど悪化するのは必至であるからだ。



zsh75@donga.com