Go to contents

[オピニオン]GPS携帯電話

Posted March. 28, 2008 07:33,   

한국어

衛星位置測定システム(GPS)は地球の上空の約2万200キロを回る24の衛星から送信する電波で、地上のものの位置を把握するのに使われる。米国防総省が1960年代に開発して、ミサイルのような兵器の誘導や兵力配置などに利用した。ロナルド・レーガン大統領は1983年、ソ連の上空で起きたKAL007機爆破事件をきっかけに、GPSを民間向けとしても使えるように認めた。今のGPSは携帯電話やカーナビゲーション、測量、地図製作など、民間用としてより広く使われている。

◆警察が一昨日、子供や女性の失踪事件の治安対策を発表し、全ての携帯電話に位置の把握に必要な装置のGPSモジュールの搭載を義務付ける対策を推進すると明らかにした。行方不明者や誘拐された人が緊迫した状況で、携帯電話で犯罪通報電話「112」に電話をかけさえすれば、位置を把握できるため、必要だというわけだ。現在、普及している電話のうちGPSモジュールが搭載されているのは20%程度だ。

◆全ての携帯電話にGPSモジュールを搭載するためには6000億ウォンから最大3兆ウォンがかかるだけに、国民に負担を強いるという問題がある。さらに重要な問題は、警察がGPS携帯電話を利用して個人の位置を把握できるようになれば、プライバシーや人権を侵害する恐れがあるということだ。警察は112へと通報した時だけ、自動的にGPSシステムが作動すれば、人権を侵害する恐れはないと主張しているが、信じきれないものがある。

◆今のところ、位置情報の保護や利用に関する法律は、個人の位置情報は消防防災庁や海洋警察庁のみが利用できるように明記されている。台風や豪雨、火災や海上事故のような災難や災害の時だけ、本人の同意無しでも個人の位置を把握できるようにしている。警察は行方不明や誘拐事件をはじめとして112に通報があった時も、個人位置情報を利用できるように法律を改めるべきだと主張している。しかし、国会で上程されている位置情報の3件の改正案は処理されず残っている。警察の位置情報の悪用の可能性が一因となっている。携帯電話へのGPSモジュール搭載については、まずは身辺保護上、必要だと感じる人から行うこととし、警察は、その効果を具体的な事例として裏付けられるよう努めるのがいいだろう。

權順澤(クォン・スンテク)論説委 maypole@donga.com