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[オピニオン]大統領の宗教

Posted March. 22, 2008 06:49,   

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「私は無神論者だ」と言っていたソ連のミハイル・ゴルバチョフ(77)元大統領が、カトリック信者であることを暴露したと、欧州メディアが騒いでいる。数日前、イタリア・アッシジにある聖フランチェスコの墓を突然訪問した席だった。ゴルバチョフ元大統領は墓の前で、「神父は、私にとってもう一人のキリストだった。私の人生を変えた」と述べた。英紙デイリー・テレグラフは、「共産主義の指導者という身分のため言わなかったが、実は信者だったといううわさが、確認された」と報じた。イタリアの日刊紙ラ・スタムパは、「精神的ペレストロイカ」と賞賛した。

◆大統領も、政治指導者である前に人間だ。苦しく孤独な決定を下さなければならない重い権力の座を守るには、宗教や信仰が大きな力になることもありうる。大統領にも、当然信仰の自由がある。しかし、宗教をアヘンと規定したマルクス主義を信奉する国家の指導者たちは、宗教的信仰を持っていても、ゴルバチョフ元大統領のように隠すしかなかっただろう。今日、特定宗教を国教に定めた国家は、イスラム国家以外にほとんどない。韓国の憲法も、厳然として政教分離を明示している。

◆大統領の宗教は、選挙戦で票を集める力にもなるが、反対派のターゲットにもなる。カトリック信者だったケネディ元米大統領は、1960年の大統領選挙の時、多数派のプロテスタント信者が執拗に宗教を問題視すると、「私は大統領選候補となった米国人であり、大統領選に出馬したカトリック信者ではない」と真っ向から退けた。最近、途中で撤退した共和党の大統領選候補のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事も、モルモン教徒だと攻撃されると、「一つの集団ではなく、国民のために奉仕する」と対応した。

◆李明博(イ・ミョンバク)大統領が突然、18日に入寂した忠清南道礼山(チュンチョンナムド・イェサン)の修徳寺(スドクサ)の住職である円潭(ウォンダン)高僧の弔問に訪れた。大統領の弔問は、宗団史上初めてだ。巷では、「長老出身の大統領」が通ったソマン教会の話がたびたび出る。仏教系にとっては、疎外感を感じ恐れもある。そのため、李大統領の修徳寺訪問を、「仏教系の抱き込み」と見る人もいる。印名鎮(イン・ミョンジン)牧師は、「李大統領はプロテスタント信者であるため、プロテスタントともっと距離を取らなければならない。在任中は、ソマン教会を遠ざけるのがいい」と話した。

許文明(ホ・ムンミョン)文明論説委員 angelhuh@donga.com