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[社説]科学の英雄たちに拍手を送りたい

[社説]科学の英雄たちに拍手を送りたい

Posted March. 06, 2008 03:05,   

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韓国の基礎科学界から相次いで朗報が届いている。ソウル大の康鍱培(カン・ヒョンベ)数理科学部教授が米国ユタ大学のグラム・ミルトン客員教授とともに、57年間解明できなかった数学の難題「ポーヤーセグー(Polya−Szego)予測」と「エシェルビー(Eshelby)予測」を証明した。延世(ヨンセ)大学化学科の金東晧(キム・ドンホ)教授らは、日本京都大の大須賀篤弘教授チームと共同で、44年間謎だった「メビウスの帯」模様の分子合成に成功した。さらに、米国立保健院(NIH)で研究中の韓国人科学者たちは、アルコール性脂肪肝臓の原因を究明するという成果をあげた。

世界レベルに大きく立ち遅れているとされる韓国科学界の快挙だ。研究環境が他の学問に比べ、相対的に厳しい数学・化学のような基礎学問分野で成し遂げた成果であるぶん、その意味は大きい。このような成果は、偶然に、または簡単に得られるようなものではない。「国家碩学」事業など、制度的支えもあったが、夜遅くまで研究室で研究に取り組んだ賜物だ。康教授は、「テレビを見ているときも問題のことばかり考えていた」と語る。科学技術論文引用索引(SCI)級の論文200編発表に被引用件数が3500件あまりに上る金教授は、「ノーベル賞にもっとも近い学者」の1人として評価される国家の碩学だ。

相次ぐ朗報は、教授の再任用およびテニュア(終身在職権)の審査強化で頭を抱える韓国の大学にとって、示唆に富むものだ。大学の競争力は、見栄を張った建物ではなく、教授陣の力量から生まれる。世界有数の大学は、教授の力量および実績評価に積極的に取り組んでおり、多くの教授は最高レベルの実績を上げるため必死になっている。そういう学者が増えてはじめて、韓国の大学も守られ、経済も発展する。

政府は、大学の研究年運営を強化する計画だ。韓国の大学教授の研究年は「安息年(研究の為に与えられる長期休暇および休職期間)」と呼ばれている。多くの教授は、研究年になると海外に出かけるが、新しい学問に接しようとする努力よりも、ゴルフと子供の英語の勉強に明け暮れる場合が多い。「外国の教授は、研究年に著書を出すが、韓国の教授はシングルゴルファーになって帰る」と皮肉られたりもする。

海外の学者との共同研究が容易な科学者たちが、まずは学問と大学の競争力アップをリードすべきだ。政府も基礎科学の裾野を広げる研究に対する支援を惜しんではならない。